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豚コレラで豚肉価格が高騰するなか……中国で“死肉ロンダリング”が横行中

文=中山介石(なかやま・かいすけ)

生きた豚しか運ばれてこないはずの精肉工場に、息絶えた豚が……(「看看新聞」より)

 アフリカ豚コレラのまん延により、豚肉の価格が高騰を続ける中国。国家統計局によると、11月の豚肉の価格は前年同月から2倍以上に上昇した。景気が低迷するなか、家計への影響は大きいが、それに乗じてひともうけしてやろうという中国人も少なくないようだ。

「聯合新聞網」(12月4日付)などによると、広東省仏山市にある精肉工場が病死した豚の肉を流通させていることがわかった。記者が潜入取材したところ、早朝4時頃、豚を載せたカートが工場内に運ばれてきた。生きている豚は生体取引エリアに降ろし、死んでいる2頭はカートに残したまま食肉処理場へと運ばれた。作業員はその1頭を吊るすと、包丁片手に慣れた手つきでどす黒い血を抜いた。体を熱湯で洗い、毛を抜き内臓を取り除くと、あっという間に健康そうな白い豚へと様変わり。検査員は最初、その肉を工場の外に出すことを拒否していたが、賄賂でも渡されたのか、最後は検疫の合格印を押した。

病死した豚の肉は“ロンダリング”を経て市場へ

 また、工場内で記者は、畜産業者と従業員がもめているところを目撃した。警備員の話によると、賄賂を渡さなければ、工場が病死した豚を受け入れてくれないという。畜産業者の男が100元(約1,600円)を渡すと、従業員はすぐにそれを食肉処理場へと運び、10分後には“毒豚ロンダリング”が完了。畜産業者の男は合格印を押された豚肉をトラックに載せると、工場を出ていった。向かった先は、60キロ以上離れた広州市白雲区にある市場。その肉は普通の肉として、500グラム数十元で販売されていた。同工場では、こうした顧客から加工を請け負うだけでなく、自らも毎日数トンの病死した豚の肉をトラックで出荷。早朝4時から9時までが「死肉」の取引の時間で、広州や仏山の市場に流通させていたという。

 事件発覚後、当局はすぐに捜査に乗り出し、同工場は営業停止。19人が拘束されたが、これは氷山の一角にすぎないだろう。「死肉」は無害化処理をしていたということだが、豚コレラにかかった豚が混入していたとしても不思議ではない。豚コレラが一向に収束しない要因のひとつは、こうした悪徳業者が全国にはびこっているからかもしれない。

 豚コレラ騒動は、来年も続きそうだ。

(文=中山介石)

中山介石(なかやま・かいすけ)

中山介石(なかやま・かいすけ)

1970年、神奈川県横浜市生まれ。日本の食材をハンドキャリーで中国に運ぶ傍ら、副業として翻訳・ライター業に従事している。

最終更新:2019/12/19 16:00
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