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週刊誌スクープ大賞

『パラサイト』アカデミー4部門受賞、日本を追いかけていた韓国映画が、気が付けば数十歩も前に!

 お次も新潮。橋本聖子五輪担当相と高橋はるみ参議院議員が、選挙中に雇ったウグイス嬢に、公選法で定められている金額以上を支払ったという「疑惑」の第2弾を掲載している。

 新潮は、件のウグイス嬢を直撃して、高橋はるみが払った2019年7月20付けの18万8500円の領収書と、やはり高橋が代表の「北海道を愛するみんなの会」宛の同じ日付の1万8000円の領収書、両方の写しを彼女に見せて、あなたが署名したものかを聞こうとするが、「老眼だから」といって見ようとしない。

 両議員の事務所も、過剰報酬は払っていないとしているが、同様のケースで捜査が進んでいる河井案里議員のケースもあり、内部から告発者でも出れば、この2人にも司直の手が伸びることは十分あり得る。

 ところで、憲法さえ蔑ろにするのだから、法律なんて守らなくていいと、この男、安倍首相は考えているのだろう。

 1月31日、政府は2月7日に63歳の定年を迎える黒川弘務東京高検検事長を、7月7日まで勤務延長とする閣議決定を行ったのである。

 検察庁法では、トップの検事総長の定年を65歳、ナンバー2の東京高検検事長以下の定年を63歳とはっきり定めている。

 検察庁というのは、政官界の不正にメスを入れるために、首脳人事は政治介入を許さない「聖域」とされてきた。だがそれを無視して政府は人事権を行使したのである。こんなことが許されていいはずがない。権力側の暴挙である。

 その裏には、黒川が安倍や菅官房長官に尻尾を振る便利な存在だったことがある。これまでも、小渕優子が経済産業大臣のときの不透明な政治資金処理事件や、甘利明経済産業相の口利き疑惑などが不起訴になったのは、黒川が動いたからだといわれてきた。

 悪法といって間違いない「共謀罪」を成立させるときも、黒川の「調整力」が欠かせないとして、黒川をゴリ押しして事務次官に昇格させたといわれている。

 そして今回、IR汚職で現役議員が逮捕され、このままいけば、さらに上の大物議員にも検察の手が伸び、カジノ構想自体が崩壊しかねない重大な局面で、法を無視して黒川の定年を延長させ、検事総長にしようというのである。

 この人事が発表されると、新聞は、IR汚職は秋元司逮捕で終わりと報じた。河井案里議員の政治資金規正法違反も、菅原一秀議員の公選法違反も、うやむやにされるという見方が圧倒的だ。こんなことで、この国が「法治国家」だといえるのか。

 文春で検察関係者が黒川の意外な趣味について、「皮肉なことに黒川氏の犬の散歩以外の趣味は麻雀とカジノ。休日にはマカオや韓国にカジノに出掛けることもある」と話している。

 かつて、検事総長確実といわれていた則定衛東京高検検事長が、噂の真相で女性スキャンダルを暴かれ、消えていった。週刊誌よ、黒川東京高検検事長のスキャンダルを追え! こんな理不尽な人事がまかり通ることを許してはならない。

 今週の第1位も、やはり不倫である。女優の鈴木杏樹(50)と元歌舞伎役者で劇団新派の俳優・二代目喜多村緑郎(51)の中年不倫だ。

 鈴木は、96年に彼女が腸閉そくを患った際、手術を担当した外科医と結婚したが、13年に夫が亡くなってしまったそうだ。

 喜多村の方は、若い頃には苦労したらしいが、25歳の時、三代目市川猿之助の部屋弟子になって人並みに生活できるようになったそうだ。今の名前にしたのは16年。妻は、元タカラジェンヌで、男役で宙組のトップスターになり、07年に退団した貴城けい(45)。その6年後に喜多村と結婚している。

 鈴木と喜多村は、昨年の京都南座で催された舞台で知り合い、昨年末に深い仲になったという。1月30日、千葉県美浜区の海浜公園に現れた2人は、シートを敷いて仲良くコンビニで買ってきたものを食べ、しまいには人目をはばかることなく熱烈なキスをしていた。文春のカメラがその一部始終を撮っていることも知らずに。

 その熱いシーンは、巻頭のモノクログラビアで拝める。その後二人は鈴木が運転するクルマでラブホへ入っていった。

 不倫もの記事の最大の山場は、2人を直撃した際のコメントと動揺ぶり、男の奥さんにそのことを告げたときのリアクションである。

 鈴木の方は、「奥様がそういう心配をされるようなことはしていないと思います」と、しれっとしているが、喜多村の方は、海岸でのデートやラブホに行ったことなどを問うと、「徐々に涙目に」(文春)なって、奥様に申しわけないという気持ちはあるかと聞かれ、「お答え出来かねます」といったそうだ。

 今週のハイライトは、喜多村の奥さん・貴城が文春に答えるシーンである。最初は、そうしたことはない「私は、夫のことを信じています」といっていたが、そのうち、「でも……それが事実だとすれば、それは許せないと思います」。そして深いため息をついて嗚咽し始めたそうだ。ようやく絞り出すような声で、「人生を……返してほしい」と呟いたという。

 皮肉なことに、鈴木杏樹は今、三谷幸喜が手がけた舞台「罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~」の全国公演をしているという。中年男女の火遊びはどんな結末を迎えるのだろうか。

 沢尻エリカ、鈴木杏樹、喜多村緑郎が謝罪文を出した。沢尻はあまりうまいとはいえない自筆で「私の身勝手な行動により」多くの人にご迷惑をかけたと詫びている。

 鈴木は、昨年10月に舞台で共演して食事をするようになり、「今年に入って、お相手から独り身になるつもりでいるというお話があり」付き合うようになった。「しかし、まだお別れが成立していない現状、今回の軽率な行動を真摯に反省」する。

 喜多村は、報道されている内容は事実だと認め、「未熟さゆえに、妻、妻のご家族……」、最後に「鈴木さんご本人」に多大なご迷惑をおかけしたと詫びている。

 突っ込みどころが満載の詫び文である。沢尻は、違法薬物を長年使用してきたことを、「身勝手な行動」ぐらにしか考えていないようだ。

 結び近くに「他人を思いやるという気持ちが欠落していた」と書いているが、あんたのヤク中を知っていながら、周りにいた“他人”たちは「止めろ」ともいわず、あんたを長年利用してきたんだよ。そんな他人は切り捨てて、自分自身をしっかり見つめ直すことのほうが大事だろう。

 鈴木は、相手が離婚するといったのを信じてSEXしたのだから、悪いのはあいつの方だと、50歳にもなる大人が責任を押し付けるとは情けない。ワイドショーで、街頭インタビューされた若い女性が、「どんな形であれ、これってダメじゃん」と切り捨てていたが、多くの人が、鈴木に厳しかったのは当然である。

 喜多村は、妻とは離婚すると偽って鈴木を口説いたのか、説明責任を果たせ。

 とまあ、不倫は文化どころではなく、庶民の憂さのはけ口としての「必需品」になった感がある。

 最後に、現代編集長が、今週から伊集院静の連載を休止すると書いている。手術後の容態が気になるな。(文中敬称略)

【巻末付録】

 現代からいこう。

「世界のセレブ美女、仰天ボディー一挙出し! デミ・ローズ、ローズ・ドンラン、クリッシー・テイゲン」「元ミス・インターナショナルが迫る 奈月セナ」

「元日テレアナウンサー・脊山麻理子、女子アナのお尻は好きですか」。袋とじは「性的嗜好、その誕生と分化-人は誰しも変態である」

 お次はポスト。

「ロマンポルノが輩出した銀幕のスターたち 地井武男、風間杜夫、柄本明、岸部一徳、古尾谷雅人」

「ヘアヌードだらけの『雪上運動会』2020」「岡田紗佳、高宮まり、牌牌ガールズのW役満ボディ-Gカッププロ雀士2人」

「本仮屋ユイカ/ベッドルームの私-高級リゾートで見せたプライベートな素顔」

 このところ両誌ともに、SEXYグラビアに力が入っていない。ヘア・ヌードグラビアを止めるのか、続けるのか、はっきりしないと部数下落に歯止めがかからないと思うのだが。というわけで今週は引き分け。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/02/10 22:05
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