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【シリーズ】「読解力低下」騒動のウソとホント(5)

「読解力低下」騒動のウソとホント(5)「教科書が読めない子どもはAIに負ける」理論の罠

文=飯田一史(いいだ・いちし)

新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)は30万部を超えるベストセラーとなったが……」

 昨年末あたりから、日本の子どもの読解力が低下していると話題になっている。その原因について「最近の子どもは本を読まないからだ」などとメディアや見識者は騒ぎ立ているが、実はどれも的外れな議論かもしれない――。『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)などの著者で、子どもの本をめぐる事情に詳しいライターの飯田一史氏が、5回にわたるシリーズで読解力問題の実態をえぐり出す!

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【シリーズ】「読解力低下」騒動のウソとホント(4)教育改革から取り残される時代錯誤な“朝の読書”

◇ ◇ ◇

 2019年末、OECD(経済協力開発機構)が義務教育修了段階の15歳を対象に行う国際学力調査PISA(Programme for International Student Assessment)の18年版結果が発表され、日本は“読解力”ランキングで過去最低の11位(OECD加盟国中の順位。全79の参加国・地域の中では15位)となったことが話題となった。

 だが、この少し前に、また別の“読解力”論争があった。

 数学者の新井紀子が著書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社/18年)で、「日本の中高生は教科書を文字通り読む能力がない」と主張したことに端を発する議論である。

教科書の文章を理解できないと、悲惨な未来に?

 同書でいわれる“読解力”とは、「文書の意味内容を理解する」「中学校の教科書の記述を正確に読み取ること」である。「行間を読む」といったものではなく、文章をリテラルに理解する能力のことだ。

 新井はこういう意味での読解力についての調査と分析を実施した結果、日本の中高校生の多くは選択式問題に答えられる程度の表層的な知識は豊富かもしれないものの、中学校の歴史や理科の教科書程度の文章を正確に理解できないことがわかった、と結論づけている。

 そして、小説や評論文を読んで作者が言いたいことや行間に隠されている意味を読み取るという意味での読解力ではなく、「問題文の意味を正しく理解する」ような初歩的とも思える読解力を問題とする。

 新井の考えでは、この能力こそAIが苦手とし、人間に優位性がある部分なのに、これができないならAIに日本の子どもは負け、失業か低賃金労働の未来しかないのだという。

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