本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

清純派アイドルも巻き込んだ!? “兜町の風雲児”と呼ばれた詐欺師が自宅火災で死亡の顛末

イメージ画像/出典:BrianMcguffog

 2月20日、投資ジャーナル事件で実刑判決を受けた中江滋樹元会長が、東京・葛飾区のアパート2階の火災現場から遺体で発見されたことがわかった。

 1980年代に“兜町の風雲児”と呼ばれた投資顧問会社「投資ジャーナル」中江元会長は、約7,800人から総額584億円を集めたものの、現金を詐取されたと投資家から訴えられ、その後、詐欺容疑で逮捕された。逮捕前には、当時、清純派の人気アイドル歌手だった倉田まり子さんとの2ショットが写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)に掲載され、倉田さんの愛人疑惑が浮上したことでも世間の注目を浴びた。

 当時、女性隔週刊誌「微笑」(祥伝社/休刊)の記者だった筆者も、取材に走った。2人とも愛人関係を否定したが、その頃、倉田さんが東京・目黒区に豪邸を購入したばかりで、その購入費用が約7,000万円とされた。こんな大金は、中江元会長からの支援なくして用意できるはずがないと、愛人疑惑は払拭されず、倉田さんは芸能界引退に追い込まれた。

 しかし、後に購入費用7,000万円の金融機関からの借用書が公開され、倉田さんの愛人疑惑は払拭された。スキャンダルの真相は、中江元会長が倉田さんに独立を勧めたこと、それを察知した所属プロ関係者が、独立を阻止するため「FRIDAY」に2ショット写真を提供したことだった。濡れ衣を着せられた倉田さんは被害者の一人だったのだ。

 一方、中江元会長は、投資家から詐取した金を使い、赤坂の一流料亭で豪遊していた。銀座8丁目の高級クラブSには、500万円前後の大金を持って大盤振る舞いをする中江元会長の姿があった。当時のSは、“芸能界御用達クラブ”で、日本レコード大賞の審査員を務める音楽評論家やスポーツ紙記者たちが頻繁に飲みに来ていた。支払いは、賞獲りを狙うプロダクションやレコード会社。「賞はSでの接待で決まる」と揶揄されたこともあったほどだ。

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