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週刊誌スクープ大賞

「検察庁法改正案」を慌てて取り下げた安倍政権、ここでも安倍晋三の地盤沈下が露呈か

 あまり面白くない文春、新潮の安倍首相批判。

 中国や欧米各国と比べて、感染者数も死亡者数も極めて少ないのは、安倍首相のおかげでも、ましてや専門家会議のご尽力のおかげでも何でもない。

 無為無策なのにこの状態だということは、誰も恐くていい出さないが、日本は、これから感染爆発が起こる前の状態ではないのか。または、スペイン風邪のときもそうだったが、第二波のほうがより感染者も死者も多くなるかもしれないのだ。

 こうした国民の不安に、安倍首相も専門家たちも全く答えてはくれない。なぜなら、データを取っていないからだ。

 分かっているのは、リーマンショックのときより、経済的損失は大きくなるということのようである。新潮で第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストがこう話す。

 緊急事態宣言が5月31日まで延長されたことで、失業者は69万人超になるそうだ。

「延長で6.5兆円が加わり、13.7兆円。GDPを年間2.5%押し下げます。(倒産に関しては=筆者注)リーマンショックのとき、通常より年間1400件以上増えたので、今回も1000件以上は増える可能性があります」

 さらに、「政府は今回、“新しい生活様式”を提唱しましたが、これを正直に守って行動した場合、最低3年、経済が戻らない可能性がある」というのだ。

 それもこれも、「総理が思考停止になって、経済については白旗を上げる専門家たちに、日本の命運を分ける判断を丸投げ」(新潮)したからだ。

 われわれ国民が求めたいのは、新しい生活ではなく、新しい政権のほうなのに。

 現代の小池百合子都知事批判の第2弾。

「その上から目線が、いちいち気に触ります。小池さんだって初動対応に気の緩みがあったからこそこんな事態になったんじゃないかと言い返してやりたいですよ。

 新潮も、小池は、コロナ対応ベッド数に余裕があり、重症者の病床使用率が21.7%で、優秀な大阪と比べても優秀なのに、誤魔化して危機感を煽っていると指摘している。

 ポスト安倍が取り沙汰されているが、週刊朝日は、石破茂や小泉進次郎ではなく、今回のコロナ禍の中で存在感を高めた、地方自治体の首長たちの中から出て来るのではないかと見ているようだ。

 小池都知事、大阪モデルを提唱した吉村府知事、北海道の鈴木知事などの名が挙がっている。

 鈴木知事の支持率は88%もあるそうだが、文春にいわせると、夕張破たん時に総務大臣を務めていた菅官房長官と親しく、菅の操り人形だといわれ、何かというと「国に聞いて」を連発するそうである。

 吉村はどうか。文春によると、元CAの妻との間に3人の子どもがいる。故・やしきたかじんの顧問弁護士になったことで、橋下徹との縁ができた。

 橋下の子分というイメージは拭えない。橋下が現役のときに推進した病院の統廃合で、「人口10万人に対する感染症病床数は全国ワースト5位から2位に順位を上げた」が、それの弊害を決して認めようとしないそうだ。

 パチンコはいけないがカジノはいいというのも、分かりにくい。所詮橋下徹のポチというところから抜け出せないようだ。

 現代も吉村をやっている。

 維新の会のリーダーとしてではなく、次期総理の声もあるという。そんなバカなとは思うが、瓢箪から駒ということもあるので、どんな人間か。

 現代によれば、吉村は大阪府河内長野市生まれ。学区のトップ校だった大阪府立生野高校に進学する。

 しかし京大や阪大は落ちて、九州大学法学部に進学する。大学2年生から旧司法試験の勉強に打ち込むようになった。そして、大学を卒業した98年の10月、23歳の若さで試験に一発合格する。

 弁護士事務所にいた時、事務所が武富士の名誉棄損訴訟を頼まれ、吉村も担当に入ったという。サラ金の武富士が言論を委縮させる目的の「スラップ訴訟」を次々に起こしていたころである。

 その後、吉村は11年に大阪維新の会の公認を受け、大阪市議選に出馬し、初当選を果たす。

 14年には大阪4区から衆議院選に出馬し、国会議員に転じた。懸命な勉強とまじめさだけでやってきた男のようだ。

 だがこのままいけば、大阪都構想が仮に可決された場合、史上初の大阪都知事に彼がつくのは間違いないといわれるそうだ。

 だが、橋下徹のように人付き合いはよくないようだ。

「吉村は会食にもあまり顔を出しませんし、出たとしても一件目で必ず帰ってしまう。人の心の掴み方は、橋下さんには到底及ばないと思います」(維新の会幹部)

 まあ、今だけ将軍、かもしれない。

 やはりどれもこれも帯に短したすきに長しのようだ。

 さて、ここから現代が6本続く。こんなことはこの連載が始まってから初めてである。

 内容がどうというより、読者が知りたい、どうなっているのか教えてくれ、そういう要求にこたえている。私はそう思うのだ。

 まずは、専門家会議の副座長という要職にある尾身茂というのは、どういう経歴の人間なのか。現代によれば、自治医科大学の1期生として入学し、89年に厚労省に医系技官として入省。

 感染症の対策部長として西太平洋地域におけるポリオの根絶を達成して名を挙げた。

 日本政府からの後押しを受けて、WHO西太平洋地域事務局長にも選出されている。02年にはWHOの責任者として、世界中でSA RS対策に奮闘したが、この間、挫折を経験しているという。

 WHOの事務局長選に出て落選。自治医大の学長になろうとしたが敗戦。

 09年に新型インフルエンザが流行した時、政府の対策本部委員会の委員長に任命された。以降、様々な感染症対策の陣頭指揮をとるようになる。

 内閣官房新型インフルエンザ等対策有識者会議で委員だった医療ジャーナリストの伊藤隼也はこう振り返る。

「官僚たちや内閣府のメンバーの思惑通りに上手く会議を進める人でした。自分の意見があるようにも見えなかった。今回のコロナ対策でも、厚労省の言うことは絶対に聞くと思われているから重宝されているんでしょう」

 嫌がらせ行為、自粛警察、密告などなど、今回のコロナ感染騒動によって、この国の人間の弱さやあさましさが露呈してしまった。

「感染症の拡大を阻止するのか、それとも経済的なダメージを低減することを優先するのか。こう語られることが多いですが、どちらも命にかかわる問題です。

 感染拡大の抑制だけが社会に平和をもたらすわけではありません。新型コロナが炙り出した歪な『正しさ』を見直さなければ、ますます生きづらい世の中になってしまいます」

 こう語るのは医療人類学者の磯野真穂だ。

 私は、朝日新聞で彼女が語ったこの言葉に、心を鷲掴みにされた。

「本来、病気や死は、地域をはじめローカルな人間関係の文脈の中で意味づけられてきました。リスクとの付き合い方も、人と人が集まる生活空間で『だいたいこれくらいやっておけば大丈夫だろう』という感覚のなかで、つくられてきた。しかし今回の新型コロナでは、情報技術の発展もあり、文脈の違う他国の情報や、専門知がものすごい速さで入ってきている。現場の感覚に基づいて個人が行動を決めることが難しくなっています」

「今、考えるべきなのは、『感染拡大を抑制さえすれば社会は平和なのか』ということではないでしょうか。私はすでに、この方向性がもたらすマイナスの側面の影響が大きくなっていると考えています。感染拡大だけでなく、人間の『命』にとってのさまざまなリスクを考慮して、政策を決めていく段階に来ていると思います」

 現代は、医者や看護師を「特攻隊」にしたのは、この国の医療体制の貧弱さゆえだと追及している。

 感染症専門医は日本に1500から1600人いるとされているが、

「その半数はクリニックや中小病院、介護系の病院などで勤務していると考えられます。感染症専門医の資格を取る前に、内科、小児科、皮膚科、眼科などの専門医資格を取得する必要があります。クリニックなどにいる感染症専門医の多くは、小児科医や眼科医として働いています」(永田宏・長浜バイオ大学教授)

 結局、「『儲からない』『無駄だ』と判断し、専門医も感染症専用病床も減らし続けた結果、今の日本の医療体制は極めて貧弱になってしまった。それを、医師、看護婦などの医療従事者たちの自己犠牲によってギリギリ持ちこたえているに過ぎない」(現代)のだ。

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