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週刊誌スクープ大賞

「検察庁法改正案」を慌てて取り下げた安倍政権、ここでも安倍晋三の地盤沈下が露呈か

 さて、第1位ももちろん現代のトップ記事。専門家会議という「権威」が,初めから間違っていたのだということを、読者によくわからせてくれる。

 これだけ読んでおいても、新型コロナウイルスについて、一つ賢くなったと思えるだろう。

「そもそも、一部の医師たちは、専門家会議が主導した感染症対策の最初の一手から疑念を抱いていた。

『専門家会議は当初、クラスター対策を当てにしてPCR検査の件数を絞りました。その結果、政策決定に必要な感染者数を把握できなくなってしまっています。

 また専門家会議が「外出自粛」を打ち出したことで、政府は緊急事態宣言を発出し、延長までしました。

 これにより倒産などの経済的な犠牲者が出ただけでなく、「第2波」で、さらなる死者数が出る恐れがあります』(医療ガバナンス研究所理事長上昌広氏)」(現代)

 間違った初動だったとわかったのは、その後だった。

「2月ごろの感染拡大の初期なら、感染が広がる集団を見つけて濃厚接触者を検査する『クラスター対策』は有効でした。

 しかし、『市中感染』の蔓延が疑われる中、現在では、クラスターを追うことにどれだけの意味があるのか、疑問です」(厚生労働省の医系技官を務めた医師・木村もりよ氏=同)

 PCR検査を増やせという声は日増しに高まる。それでも「自分たちは間違えない」という無謬主義で、専門家会議は、次の一手でも致命的なミスを犯してしまったというのである。

 それが4月7日の緊急事態宣言の発出だった。4月1日に専門家会議が「外出自粛」と「行動変容」を訴えたことで、政府が出した緊急事態宣言は劇薬だったのだ。

新規感染者数は4月11日をピークに減少し始め、緊急事態宣言は奏功したかのように見えたのだが……。

「にもかかわらず、5月1日、専門家会議の脇田隆字座長が会見で、『緩和すれば感染拡大が再燃し、これまでの行動変容の努力や成果が水の泡になる』と危機感をあらわにし、緊急事態宣言の延長を訴えた。

 たしかに新型コロナによる死亡者は減ったが、自粛状態が長引けば仕事もできず、収入が絶たれる人や潰れる店が続出してしまうのだ。

 専門家会議の尾身茂副座長は不安にかられたという。

「その本音が見えたのは、5月11日の参院予算委員会における、尾身副座長の発言だった。『(実際の感染者数は」10倍か、15倍か、20倍というのは誰もわからない』

『わからない』のではない。専門家会議が初動を間違えたから、『わからなくなってしまった』のだ。しかも、尾身副座長が思わぬ本音を漏らしたことは、これまでの対策が実のところ、かなり当てずっぽうだったことも白日の下にさらすことになった。

 たとえば、専門家会議が緊急事態宣言を解除する判断の根拠は、『1週間の10万人あたりの新規感染者数が0.5人以下』がひとつの目安になっている。しかし、そもそもの感染者数が誰にもわからないのだから、緊急事態宣言を解除するにしても、延長するにしても確たる証拠などないことは明らかだ。

 本当の感染者数はどれほどいるのか。厚労省が発表する累計感染者数は1万6113人だ(5月14日現在)。しかし5月2日、神戸市だけで約4万人の感染者がいるという驚きの試算も発表されている」(同)

 奥村康順天堂大学医学部免疫学特任教授はこう語る。

「外出自粛により、多くの日本人が免疫を持たないまま、その季節を迎えることになると、欧米で流行していた『L型』の新型コロナウィルスが、日本でも流行することになるでしょう。『L型』のウィルスは現在、日本で流行っている絵姿『S型』よりも病原性が高い。どちらも武漢で生まれたものですが、実はアミノ酸の構造が違うのです」

 日本での新型コロナによる死者数は800人弱だ。

 一方、イギリスでは3万人超、スペインでは3万人弱と桁違い。

 5月9日放送のNHKスペシャルでは、日本の死者数が少ないことから、世界からは「ジャパニーズミラクル」と見られているという。だが、

「日本でのコロナの死者数が少ないのは、日本の対策が成功したからではありません。そもそもウィルスの種類が違ったからなのです」(上理事長)

 この冬、欧州を襲った『L型』の新型コロナが日本で流行すれば、一万人を超える死者が出てもおかしくないというのである。

 第2波の後は必ず第3波が襲ってくる。

 米ミネソタ大学の「感染症研究政策センター」が4月30日、過去のインフルエンザの流行を元に、感染拡大と収束の波がどのようにやってくるのかを予測したそうだ。

 それによれば2021年の11月ごろに第3波が発生するという。

 感染者ゼロを目指してきた専門家会議には、受けられないだろうが、「集団免疫」が最も現実的な選択肢になると現代は主張する。絶対にかからないから医療を重傷者に特化しつつ、みんなでかかるに方針を変えるのだといのである。しかし、

「日本で免疫を持つ人はまだ4%ほどしかいないため、集団免疫の一合目にも達していないことになります」(久住英二・ナビタスクリニック理事長)

 L型であろうとS型であろうと、免疫学的に見れば、同じような免疫ができるから、今のうちに日本で流行っている病原性が弱いS型に感染しておけば、冬に流行るL型にも感染にしにくくなり、重症化しにくくなるというのだが。

 それに、あと1ヵ月もすれば、どんな病気であるか解明されることになるから、数ある病気の一つとして受け入れればいいという考えもある

 だが、確実にワクチンが開発できるという保証はどこにもない。

「ワクチン開発は、想像以上に難しいものです。コロナウィルスの場合、ワクチンの接種をすることで感染しやすくなったり、発症が早まったりする『抗体依存性感染増強』という現象があるからです。この『逆効果』が起きにくいワクチンが見つかるかどうかわからないのです」(宮沢孝幸京都大学ウィルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センター准教授)

現代はこう結ぶ。

「申し訳ないが、彼らのギャンブルや戯れ言に付き合っていられるほど、日本の状況は甘くない」

 そう、政府も、専門家会議も、何一つ有効な手は打てていないのだ。考え出すと怖ろしい。

 最後に、10万円の申請書が、さっき届いた。マスクも早かったが、これも早い方ではないか。

 明日朝一番で出してみるから、いつ振り込まれるか、また報告する。(文中敬称略)

【巻末付録】

 今週は現代だけ。

「日常空間におけるエロス、その心理的効能-パンチラに興奮するのには理由が」「今田美桜、水着姿はこれが最後です-大人気女優の貴重なショット」「奈月セナ、新グラビア女王を最新撮-堂々の売り上げ第1位!」

 袋とじは「結城るみな、都内の超名門大フルヌード-容姿も偏差値も70超え」。何が哀しくて、若い肉体をさらして……。そういいながら食い入るように見つめた。いいよ彼女は!

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/05/19 12:00
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