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アフターコロナのテレビは「ひな壇」消失? バラエティ番組“リモート向き”と“スタジオ向き”タレントの違い

文=日刊サイゾー

『アメトーーク!』公式サイトより

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言から2カ月間続いた各県の休業要請が、6月19日に全面解除となった。テレビ番組の収録も6月に入ってから、段階的に少しずつ再開されている。

 とはいえ、「3密」を避けるため、スタジオ入りするメンバーはごく少数に厳選され、その他は「リモート出演」となったり、番組によってはリモート組を含めても出演者数が大幅に減っていたりする。段階的に出演者数が増えてきてはいるものの、元通りになったわけではない。

 あるテレビ誌記者は言う。

「テレビ局は、ソーシャルディスタンスを視聴者に呼びかけている立場にあるので、特に『しっかり対策をしている』とアピールしていますね。会見の際には、2メートル間隔で記者が着席するようにして、発言者が変わるたびに、マイクをその都度アルコール消毒する局もあります。その半面、入り口では人がたくさん並んでいたり、廊下などには立ち話している人もいたりと、ツッコミどころはたくさんあります。アイドルグループの取材などでも、撮影ではメンバー同士がピッタリくっついている仲良しカットをおさえているのに、わざと距離が離れた写真を使用するなどしていますからね」

 有効性はともかく、「対策をしている」と外向きにアピールすることが重要であるため、特に「ぎっしり人がいる状況」である「ひな壇」がNGとなってくるところもある。あるバラエティ番組関係者は言う。

「以前のようにバラエティ番組の定番となっている、ぎっしり人が集まる“ひな壇スタイル”にはなかなか戻せないでしょうね。コロナのワクチン開発次第ではありますが、感染者数が少なくなっても、どこかにウイルスはいるでしょうし……もしかしたらもう以前のようなひな壇スタイルは見られないかもしれません。今は段階的に少しずつユルくなっていて、演者が少しずつ増えたり、条件付きでOKになったりしていますが、アクリル板をはさんでいる人同士が離れているというワケのわからない状態が見られたりもしますし。正直、番組収録におけるコロナ対策には明確な基準がなく、番組ごと、あるいは局によって、いちいち上に確認して判断してもらわなければいけないのが実情ですね」

 3密必至のひな壇のバラエティをやれば、現時点では確実にバッシングされるだろう。しかし、コロナによってわかってきたのは、「そもそも、ひな壇を作る必要があるのか?」ということだ。

「リスクを避けるためにセットなどで工夫することもできますが、グリーンバックにして個別に撮ったモノを組み合わせるだけでも、観ている側はあまり不便を感じないんですよね。結局、セットなどの準備・手間なのか、それとも編集の手間なのか、どこの手間をかけるかという違いであって。多くのバラエティ番組でありがちな、たくさんのタレントがひな壇でVTRを観るだけの番組なら、ワイプと変わらないですし、『そもそもひな壇って必要?』という考え方になってきている。コロナを機に、番組制作のスタイルそのものを見直す時期がきている気がします」(前出・バラエティ番組関係者)

 ひな壇バラエティがなくなることで気になるのは、「スタジオ入り」できるタレントと、「リモート落ち」するタレントの違いだ。

 例えば、『月曜から夜ふかし』では、関ジャ二∞の村上信五がスタジオ入りし、マツコ・デラックスがリモート出演だった。また、『しゃべくり007』(共に日本テレビ)では、上田晋也がスタジオで、他のレギュラー陣がリモート出演という回があった。

 上記の場合には、マツコは村上に、しゃべくりメンバーたちは上田に対して、「そういうことかよ!」などと不平不満をぶつける場面が見られた。ある放送作家は言う。

「番組にもよりますが、基本的にリモート出演によってレギュラー陣のギャラ単価が変わることはたぶんないと思います。そもそも『しゃべくり007』や『月曜から夜ふかし』などでのこのやりとりは、実際に不満に思っているわけではなく、ひと盛り上がりするための甘噛みですから(笑)。ただ、スタジオ入りする人はまず、MC、すなわち“まわし”ができる人。また、MC以外でスタジオに呼ばれるのは、MCと阿吽の呼吸でトークが盛り上がり、スタジオからリモート側に話を振ることができる人ですね。人数が減る分、トークでひと笑い欲しいですし、ガヤガヤした賑やかさも欲しい。MCがわざわざ話を振らなくても、何気ないところでリモート側の声を拾うなど、気が利いて計算できる人が欲しいわけです」

 例えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日)5月21日放送分の「おうち大好き芸人」では、スタジオ入りがMC・蛍原徹のほか、陣内智則、バカリズム、かまいたち・山内健司、リモート出演がオアシズ・大久保佳代子、ドランクドラゴン・塚地武雅、フットボールアワー・岩尾望、アンガールズ・田中卓志、インパルス・板倉俊之だった。これは「おうち好き芸人」というテーマがあるものの、確かにスタジオ組を見ると「まわす力」がありそうなメンバーたちが揃っている。

 また、6月16日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)の場合、スタジオ組はMCの田村淳のほか、アンタッチャブル・山崎弘也で、リモート出演組はかまいたち・濱家隆一、パンサーの3人、さらば青春の光・森田哲矢、フルーツポンチ・村上健志、三四郎・小宮浩信だった。この例を見ても、スタジオ組がザキヤマであることは納得である。では、リモート出演で呼ばれやすいのはどんな力を持ったタレントだろうか?

「リモート出演の場合、声が重なってしまうなどのアクシデントが起きやすいので、あまり出しゃばれないんです。だから、リモート出演に向いているのは、MCに振られた時にちゃんと面白いことを返せる人。ギャグがある人とか、天然系の人、グループやコンビでなく、個で単純に面白い返しができる人はリモートに強いですね。あとは、自宅を面白おかしく使える人も重宝します」(放送作家)

 そういえば、コロナ禍でリモート出演しているパンサー・尾形貴弘の自宅をどれだけ見たかわからない。『有吉の壁』(日本テレビ)などでは、リモート出演で、土や水、墨汁など、いかに自宅を汚せるか合戦になっている部分もあったが……。

「自宅OKで、自宅を汚せる人、部屋を面白くできる人は、そこでひと笑いとれますよね。ただ自宅で無茶する系、汚す系はすでにいろいろ出尽くしているので、さっさとやっておかないと、そろそろ飽きられる、行き止まり感があります。逆に、リモート出演組が増えているなか、少数精鋭となるスタジオ出演組には、特に面白いことはしなくても、いるだけでなんとなく華やかになる人が呼ばれやすい傾向はあります。モデルなど、全身うつるだけで画になるパターンもありますからね」

 当面の間、ひな壇バラエティの復活が見えない状況下で、出演人数が制限されるなか、タレントたちが生き残りをかけて鎬を削る時代がきているようだ。

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最終更新:2020/06/25 12:00

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