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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.599

豊川悦司、浅野忠信、ウディ・ハレルソンが競演 あの“破壊王”が描いた戦争絵巻『ミッドウェイ』

 

豊川悦司が連合艦隊司令長官・山本五十六を演じた『ミッドウェイ』。豊川は頭を丸めて役に挑んだ。

 太平洋戦争において、日本と米国との命運を大きく変えることになった最大の分岐点が「ミッドウェイ海戦」だ。太平洋戦争最大の決戦となったこの戦いを、連合艦隊司令長官・山本五十六役に豊川悦司、太平洋艦隊司令長官・ニミッツ大将役にウディ・ハレルソン、と日米の人気キャストを配して、ローランド・エメリッヒ監督が『ミッドウェイ』として映画化した。大ヒット映画『インディペンデンス・デイ』(96)で宇宙からの侵略者を撃退することで人類が団結するという逆説的な世界平和を唱えたエメリッヒ監督は、歴史的史実をどう描いたのだろうか。

 物語序盤で描かれるのは、太平洋戦争の幕開けとなった「真珠湾攻撃」。米国との戦争回避の道を模索していた山本五十六(豊川悦司)だったが、日本のエネルギーや資源を封鎖する包囲網を米国側が解く意思がないと分かり、やむなく開戦を決断。戦争の早期終結を前提に、米軍の太平洋における重要拠点であるハワイの真珠湾を攻略する。

 1941年12月6日、日曜の朝。日本の航空部隊による空襲を米軍は演習と勘違いし、虚を突かれたパールハーバーは壊滅状態に。米軍の戦艦が次々と火の海に沈んでいくシーンは、“破壊王”の異名を持つエメリッヒ監督ならではのものだ。米国の領土が爆撃されたのは、2001年のNY同時多発テロ以前では初めてのことだった。米国全体がパニックに陥る中、仲間を失ったベテランパイロットのベスト大尉(エド・スクライン)は日本軍へのリベンジを誓う。

 大きな痛手を負った太平洋艦隊の新しい司令長官に指名されたのは、「ひねくれ者」と評されていたチェスター・ニミッツ(ウディ・ハレルソン)。米軍不利な状況での重責を、ニミッツは引き受ける。そんな中、米軍情報部が仕掛けた頭脳戦によって、日本軍の暗号解読に成功。日本海軍が残された米海軍を徹底的に叩くための決戦の場を、ミッドウェイ島に定めていることを突き止める。

 真珠湾攻撃に成功して勢いに乗る日本海軍は、南雲忠一中将(國村隼)率いる第一機動部隊の空母「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」をミッドウェイ島へ向けて出撃。山本五十六が乗艦する戦艦「大和」がそれに続く。1942年6月4日、日米の主力機動部隊同士がミッドウェイ島沖で大激突することになる。

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