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『チコちゃんに叱られる!』奥田民生による新曲でチコちゃんCDデビュー! 岡村隆史と紅白出場なるか!?

「雨降りでも気にしない」と歌った奥田民生に「ビニール傘ってなに?」

 この日2つ目のテーマは、「ビニール傘ってなに?」というもの。「どうしてビニール傘は作られるようになったのか?」という趣旨の質問だ。「原材料が安いから」とか「透明で前が見やすいから」という理由じゃないのかしら? 結果、スタジオにいる3人は正解を当てることができなかった。確かに、民生はヒット曲『マシマロ』で「雨降りでも気にしない」と歌っていたもんな。

 その後、番組は『東京音頭』のビニール傘の応援でおなじみ、ヤクルトスワローズのマスコット・つば九郎に同じ質問をしに行った。広島カープファンとして有名な民生に当てつけているかのような構成だ……。 

 チコちゃんが発表した答えは、「もともと傘用のカバー」というものだった。詳しく教えてくれるのは、創業300年の歴史を持つビニール傘メーカーの10代目社長・須藤宰さんだ。実は、ビニール傘は10代目のお父さんで9代目にあたる須藤三男が傘用のカバーとして作ったものらしい。つまり、ビニール傘は日本が発祥ということ。

「私の父は戦争のときにシベリアに抑留になってしまいまして、帰ってきたのが昭和24年で、(終戦から)4年間出遅れてしまったんですね。一般の傘屋さんが扱ってないような物を何か発明しないと、これはちょっと挽回できないなと」(須藤さん)

 昭和24年、シベリアから帰国した三男が向かったのは、もともと住み込みで働いていた傘屋だった。江戸時代、幕府御用を許され大名行列の雨具一式を納入していた老舗・武田長五郎商店である。しかしその頃、店は倒産寸前だった。終戦から4年、同業者に先を越されて材料が手に入らなかったのが理由だ。しかし、三男は諦めない男。彼は8代目傘屋当主の娘・有子と結婚し、やる気マンマンだったのだ。三男は、当時の傘の弱点に目をつける。綿でできた当時の傘は、雨に濡れると水が漏れるような代物だった。傘の表面の色も落ち、服は汚れてしまう。「絶対に水が漏れない傘を作れないか?」と三男は考え、進駐軍が使っていたビニールのテーブルクロスに着目した。これをテーブルに敷けば、グラスを倒しても飲み物は漏れない。これが、三男とビニールの運命の出会いだった。早速、ビニールに穴を開けて布の傘の上からかぶせてみた三男。傘を濡らさないための“傘カバー”はこうして開発される。1951年に完成した傘カバーは瞬く間に売れ、店は見事に盛り返した。

 しかし、強力なライバルが出現! それは化学繊維のナイロンだ。ナイロンの傘は当然、水が漏れない。便利なナイロン素材の傘の出現で、傘カバーは売れなくなってしまう。そこで、三男は思いついた。「カバーではなく、ビニールの傘そのものを作ればいいんじゃないか」と。

 しかし、問題が1つだけある。それは、ビニール同士をくっつける方法だ。縫うと穴が開いてしまうし、その頃はまだビニールをくっつける接着剤がなかった。苦しむ三男の目に飛び込んできたのは、アメリカで使われていた技術「高周波ウェルダー加工」。高周波で分子を震わせ熱を生み、ビニール同士が溶かしてくっつける技術だ。しかし、当時はそんな機械が手に入らない時代。すると三男、なんとその機械を自分で作ってしまったのだ。その後、改良を重ねること5年、1958年に遂にビニール傘は完成した。しかし……。

「邪道扱いされてですね、傘売り場に出なかったものですから、お客様の目に留まることもなくて、大変売りにくい状況がありました」(須藤さん)

 しかし、三男は諦めない男である。傘屋ではなく服を売る洋品店にターゲットを絞り、置いてもらえるよう一軒一軒頼んで回ったのだ。そして、1964年に東京オリンピックが開幕。すると突然、電話が鳴った。受話器の向こう側からは、英語で「ニューヨークでビニール傘を売りたい」というリクエストが。実は、オリンピックを見に来ていた米国の傘メーカー社長が、銀座の洋品店で三男の傘を見たらしい。「寒い日にすっぽりかぶっても前が見えて安全」と、三男の傘を気に入った模様。その後、ニューヨークでビニール傘は「バードゲージ(鳥かご)」と呼ばれ、バカ売れする。そして数年後、日本でもビニール傘は瞬く間に広まった。国内の販売だけでは見向きもされなかったのに、海外で認められた途端に飛びつく日本人。この手の日本の風潮って、昔からなんだな……。

 ビニール傘にまつわる壮大な物語がVTRで紹介され、筆者は大いに感心していた。そんなとき、テロップでこんな補足情報が入る。

「ビニール傘の発祥については諸説あります」

 諸説あるのかよ! これだけ須藤さんが言っているのに、「俺のほうが先にビニール傘を作った」と主張するメーカーは他にもあるんだろうな。京都の八つ橋ではないけれど、元祖を名乗るのも、バラエティのVTRを作るのも、厄介で本当に難しい。

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