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週刊誌スクープ大賞

菅義偉の命運は絶たれたーー野田か石破か岸田か“次の総理”は一体誰か?

経営破綻したJALが結果的に“強くなった”裏事情

 そしてリーマンショックの直撃を受けるも、なんとか持ちこたえたANAに対し、JALは経営破綻してしまう。そして企業再生支援機構の管理下に入ってしまったのである。

 しかしJALには結果的によかったという。

「金融機関などに債権放棄をしてもらうことで、有利子負債が大幅にカットされた。そのため財務体質が急改善し、積極投資も可能になった。つまりJALは金融機関に泣いてもらい、公的資金を得ることで、強靭な肉体になって復活しというのである。

「2012年にJALが再上場を果たし、もて囃された頃、ANAはJALの激しいダンピング攻勢に苦しめられていました。財務が改善したのをいいことに、ANAの顧客を根こそぎ奪う勢いで、採算度外視で営業をかけていた」(ANA幹部)

 一方、JALのほうにもいい分はある。

「民主党政権で再生を果たしたJALに対し、ANAは自由民主党政権に接近してロビー活動を行い、羽田の発着枠を次々と獲得、結果として国際線で日本一の路線を持つまでになった。政府専用機の整備も、19年からANAに替わっています。

 安倍晋三前総理は、ANAのロゴの入った帽子を被ってゴルフをしていたこともある。総理が特定企業の宣伝行為に加担するなど異常でしょう?  JALが破綻したこともあり、政治活動や発言を控えるようになりましたが、それを逆手に取ったANAの手口に、歯がゆい思いをしてきたのです」(JAL関係者)

 こうして経営暗闘と綱引きが激化し始めていた時に、コロナ禍が両社を襲った。

 未曽有の危機の真っただ中、人件費削減のため、ANAもJALも、CAらを家電量販店や地方自治体、企業のコールセンター、果ては神社の巫女さんなどに出向させる異例の措置をとっている。

 この2社が今後どうなるのか。合併かどちらかが潰れるか。予断は許さないようである。

 さて、福島第一原発から出る汚染水の海洋放出が現実味を帯びてきた。

 だが、少しずつ風評被害を克服し、福島で獲れた魚を買って貰おうと努力してきた漁師たちから、当然ながら悲鳴のような声が上がっている。

 原発の敷地には、現在約1000基もの汚染水を入れたタンクがひしめき合っているが、これを海に放出するという案が政権内で進んでいるようである。

 漁師の小野春雄(68)は、AERAでこういっている。

「今も福島の魚は事故前の2割から3割安い。ここでまた汚染水を海に流すと、消費者は福島の魚は買わないべ。それを心配している。そうなるとわれわれ漁業者は耐えることはできない。子どもや孫たちに、ここの海で働いてくれといえないべ」

 朝日新聞DIGITAL(1月4日 5時00分)は、こう報じている。

「東京電力福島第一原発の敷地内にたまる処理済み汚染水の処分について、朝日新聞社の世論調査(郵送)で尋ねたところ、政府が検討する海洋への放出には『賛成』は32%にとどまり、『反対』が55%だった。放出による水産物への風評被害の不安は、8割以上が『感じる』と答えた。

『汚染された水から大半の放射性物質を取り除き、国の基準値以下に薄めた処理水を海に流す』ことへの賛否を聞いた。内閣支持層でも50%、自民支持層でも47%が反対し、いずれも賛成を上回った。男性は賛成44%、反対46%に割れたが、女性は賛成22%、反対62%と大きく開いた。

 海洋放出によって水産物に風評被害が出る不安は『大いに』42%、『ある程度』44%合わせて86%が『感じる』。『感じない』は『あまり』9%、『全く』2%合わせて11%だった。海洋放出には賛成の人でも、風評不安は68%が「感じる」と答えた。

 福島第一原発事故に対するこれまでの政府対応への評価も聞いた。『評価しない』が67%で、『評価する』は20%。自民支持層でも56%が『評価しない』と答えた。政府の事故対応を『評価しない』人は、処理水の海洋放出に64%が『反対』と答え、全体より反対が多かった。

 調査は昨年11~12月、新型コロナウイルス関連の調査と同時に実施した。全国の有権者から無作為に選んだ3000人が対象で有効回答2126人、回収率71%」

 私は、海洋放出に賛成するという人が32%もいたことに驚く。国の無策の付けを福島の人に押し付けてはいけない。

 それほど安全な汚染水なら、東京湾に流したらいい。原発も東京にもってこい。そうすれば、放射能の汚染水を海にまいていいという人などゼロになる。人間なんて勝手なものだし、政治家なんてもっと勝手だ。

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