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大阪、五輪聖火リレー「中止」の深刻さ 「五輪中止」にも飛び火か

大阪、五輪聖火リレー「中止」の深刻さ 「五輪中止」にも飛び火かの画像1
「Getty Images」より

 感染再拡大の様相の新型コロナウイルスが、またも東京五輪関連行事を振り回している。

 政府は1日、改正新型コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」(通称「まん防」)を4月5日から1カ月間、大阪府と兵庫県、宮城県で適用することを決定した。この影響で大阪市の松井一郎市長、大阪府の吉村洋文知事は同日、4月中旬に走行予定の東京五輪の聖火リレーを大阪市内で中止する意向を示した。

 3月25日から1年遅れで始まった聖火リレーについては福島、群馬などですでに実施。1日からは長野でもスタートしたものの、長野市内の一部では無観客で対応している。

「開始からちょうど1週間が経ちましたが、沿道に観客が三密状態になってしまう場所が散見される。五輪組織委員会はスタート前に可能な限りの対策と、最悪の場合はその区間だけ聖火リレーを中止すると公表していますが、対応が後手後手に回っているのは明白です」(全国紙社会部デスク)

 今回、大阪市内の聖火リレー中止の意向発表も、「五輪組織委員会としては何としてでも阻止したかったでしょうが、地元自治体の協力がなくては成立しない。いまだに島根県は県内での聖火リレー実施について中止の意向を覆していません。松井市長、吉村知事の意向を汲んで正式決定すれば、そのまま中止となるでしょう」(同)と続ける。

 松井市長は改めて聖火リレーにおいて観客が密集していることを重く見ており、「大変残念だが聖火リレーは見合わせるべき」と発言。ただし、吉村知事は大阪市以外の自治体での聖火リレーについては感染対策徹底を条件に実施する旨を明かした。同じく「まん防」が適用される兵庫県は5月23日、24日に聖火リレーが実施されるため、今のところ開催方針は変わっていないが、政府筋は「まん防が5月以降も期間延長、対象都道府県が増加することも考えられる」と説明。急転直下、中止となることも考えられる。

 五輪組織委関係者は「懸念しているのは、まん防を適用したことで聖火リレーの中止が決まれば今後、他の都道府県にも飛び火して、『五輪中止』の世論が加速する可能性が考えられる。そうなるともう、どうしようもありません。期限も延長されるとなれば、いよいよ危ない状況になる」と警戒している。

 大阪の聖火リレー中止が今後どんな引き金を引くのか、注意深く見守った方が良さそうだろう。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/04/04 06:00
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