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新型コロナウイルスのワクチン接種で気になる副反応の数と症例―日本の実情まとめ

アナフィラキシーで起きた症状は?

 では、副反応の疑いとして具体的にどのような症状が報告されているのだろうか。症状が報告された1531件のうち、最も多かったのはアナフィラキシー反応の176件。次いで、皮膚に関連した報告が多く、蕁麻疹が77件、そう痒症(かゆみ)が76件、紅斑(肌の赤身)65件、発疹61件、胃腸障害では悪心(吐き気)が67件となっており、その他、発熱65件、倦怠感63件、頭痛62件などが多くなっている。

新型コロナウイルスのワクチン接種で気になる副反応の数と症例―日本の実情まとめの画像3

 副反応、中でも重いアレルギー反応であるアナフィラキシーは、これまでの接種ではブラントン分類で100万回あたりでは81件、日本アレルギー学会のガイドラインでは100万回あたり313件となる。

 米国では米CDC(疾病予防管理局)によると100万回あたり約5件、英国ではMHRA(医薬品・医療製品規制庁)によると同約19件としており、日本の場合にはブラントン分類での81件でも、米英に比較して非常に多い。

 この原因は明らかではないものの、ワクチン製造が欧米の製薬会社によるものであり、治験も欧米人を中心であった点から、日本人の体質との関係はあるのかもしれない。

 いずれにしても、高齢者に対する一般人へのワクチン接種が開始されるにあたり、“ワクチン接種は義務ではない”ことを踏まえて、くれぐれも体調などに注意した上で、接種するか否かを慎重に判断すべきだろう。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2021/04/12 22:00
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