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加藤浩次にオリラジほか…脱藩芸人が続出中!お笑い芸人と事務所の関係に変化?

芸人と事務所の距離に変化?

 では今はどうだろう?

 芸人と事務所の関係性が変化したと述べたが、具体的に大きく変わったと思う点は”距離感”だ。心の距離感とでも言おう。

 僕が現役だった頃は、一度事務所に入ったら他の事務所への移籍なんて考えたとこもなかった。やむを得ない場合を除き、基本的には最初に所属した事務所で芸人を全うするイメージがある。だからこそ事務所は惜しみなくお金を注いてプロモーションし、売れるための道筋を作ってくれた。その期待に応えるべく芸人は、全力で日々真剣にお笑いに向き合う。事務所と芸人が信頼と愛情を持って二人三脚していた。

 ところが今は事務所を変えるというのは、そう垣根の高いことではないらしい。売れている芸人が好条件の事務所へ移籍するだけでなく、売れていない若手も平気で事務所を変えるのだ。

 現在、僕がお世話になっているお笑い事務所も、芸人の入れ替わりが激しい。相方と気が合わない、ネタが書けない、他事務所の方が売れそう、就職したいなどなど、僕に言わせたらどれもこれも本気でお笑いを目指していると思えない理由だ。

 相方と気が合わないなら何故組んだ? ネタが書けないなら書けるように勉強しろ。ましてや、「他の事務所の方が売れそう」だなんて、最高に頭の悪い発言だ。

 事務所の大小関係なく、オーディションの募集は平等であり、ライバルが多い事務所より小さい事務所で頭角を現したほうが道としては近道なのに、その発想がないのだ。しかも今の時代はYouTubeやTickTok、そのほかSNSを通じて世の中に広く知ってもらうチャンスが溢れている。

 僕が現役の頃、『ホームチームはマセキだからテレビに出られた』と話す人がいた。しかし振り返ってみても、他の事務所よりチャンスが豊富だったとは思えない。

 バカリズムでさえ、テレビで認知されるようになったのは30歳過ぎてからだ。彼の才能からして、もっと早く売れて良い存在だったと思う。どう考えても事務所の規模や知名度は関係ないのに、売れないのを事務所のせいだと思いたい若手が多いようだ。事務所はそんな若手を育てたいと思わない。

 そしてもう一点、ファミリー感が薄れて ビジネス色が強くなったように感じる。芸人、事務所どちらに対してもだ。

 まず吉本興業で行われたエージェント制からの解雇。

 もちろん芸人と事務所の関係はあくまでもビジネスだ。ビジネスとして、「事務所へ害を及ぼすであろう芸人は必要ない」という判断での解雇だとは思うが、あまりにも情が無さすぎる。

 芸人サイドは逆に情に訴えかけ、ここまで一緒にやってきたのだから仲間を助けてくれと言っていたように見えたのだが、意味がなかった。もしかしたら事務所側は情が無いのではなく、逆に「ここまで育ててやったのに」という可愛さ余って憎さ100倍という感覚だったのだろうか。

 どちらにせよ、何年も一緒にやってきたのに悲しすぎる結末だ。退職代行を使って長年勤めた会社に辞表を提出するようなものなのだろうか……。

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