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厚生労働省「新型コロナ禍で2人以上世帯が収入、貯蓄増加」発表の裏側 広がる格差と高齢者の実情

高齢者でも格差が広がる

 では、負債の内容はどのようなものかを種類別にみると、負債現在高の90.6%を占める住宅・土地のための負債は518万円で前年と同水準だった。このうち勤労者世帯の住宅・土地のための負債は791万円で前年比7万円(0.9%)減少した。

 世帯主の年齢階級別に貯蓄現在高をみると、40歳未満の世帯が708万円と最も少なく、60歳以上の各年齢階級では2000万円を超える貯蓄現在高を保有していた。

 半面、負債現在高をみると、40歳未満の世帯が1244万円と最も多く、年齢階級が高くなるに従って負債現在高が少なくなっている。

 貯蓄現在高から負債現在高を引いた純貯蓄額をみると、50歳以上の各年齢階級では貯蓄現在高が負債現在高を上回っており、70歳以上の世帯の純貯蓄額は2173万円と最も多くなっている。一方、50歳未満の世帯では負債現在高が貯蓄現在高を上回っており、負債超過となっている。

厚生労働省「新型コロナ禍で2人以上世帯が収入、貯蓄増加」発表の裏側 広がる格差と高齢者の実情の画像3

 これをみると、高齢者家庭は十分な貯蓄を持ち非常に裕福に見えるが、一方で生活保護受給家庭の55.8%(91万1167世帯)も高齢者世帯だ。

 若い世代だけではなく、高齢者世代にも格差は広がっている。

 

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2021/06/06 06:00
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