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『関ジャム』欅坂46「サイレントマジョリティー」作曲家が語る歌メロが低音の理由と、路地裏で苦悩する若者たち

タイアップ曲をコンペで争う場合の楽曲の作り方

 この日、終盤にちょっとおもしろい試みが行われている。番組が作曲家(ゲスト)にイメージを伝え、それに沿った楽曲を作ってもらう『関ジャム』主催の疑似コンペ大会が開かれたのだ。曲の方向性を決めるのは、“番組の秋元康”を自称する古田新太。確かに、『あまちゃん』(NHK)で古田が演じた荒巻太一は見るからにモデルが秋元だったが……。彼が考案したコンセプトは以下である。

・男性アイドルのデビュー曲
・ドラマ主題歌(タイアップ案件)
・ドラマで重要になるキーワードは「年の差婚」「万引き」「空手」の3つ

 どうやら、古田は独自にドラマの内容を考えていた模様。まず、主人公は少年。そして、父は空手の先生だ。少年の父は、なんと息子より年下の若妻と再婚した。その後、息子は母に好意を抱いてしまう。3人は三角関係に陥った。しかしある日、母が万引きする場面を息子は目撃。少年は父に真実を話すべきか苦悩する……というストーリーである。ちょっ、なんだこれ!? AVじゃないんだから。しかも、男性アイドルグループのデビュー曲に「万引き」のイメージはありえないだろう。古田考案のコンセプトを見て、さすがに関ジャムも黙っていられなかった。

「デビュー曲、大事ですからね」(横山)

「浪花いろは節」をデビュー曲に用意されていた関ジャニ∞だけに、言葉の力が重い。実感がこもっている。

 一方、コンペに参加するバグベアも独自にドラマのストーリーを想定していたよう。年の差婚をした主人公(女性)が夫の浮気を疑い、フラストレーションから万引きに手を染めてしまった。それを捕まえたのは、元・オリンピックの空手日本代表で、現在は万引きGメンになった男だ。その後、紆余曲折を経て2人は意気投合。主婦で培った推理力と空手で培った腕力を持つバディが事件を解決する推理ミステリー……という内容である。

 そんなドラマを念頭にバグベアが制作した楽曲が、またイカしていたのだ。イントロを聴くだけで、今すぐ『ルパンの娘』(フジテレビ系)が始まりそうな不穏な雰囲気が漂うし、それでいてキャッチー。いい意味で歌謡曲っぽさもある。KAT-TUNやKinKi Kidsに歌わせたらハマりそうな1曲だ。そうか、バグベアはこういう形でコンセプトをがっちり決め、ストイックに曲を作るのか。番組のおふざけ企画なのに、真剣に入れ込んでもらって申し訳ない。何しろ、バグベアは3日かけてこの曲を作ったそうだ。是非とも、番組はギャラを弾んであげてほしい。

 余談だが、不定期で放送されていた『ザ・カセットテープ・ミュージック』(BS12 トゥエルビ)が12日に最終回を迎えた。残念である。同日に企画内容がかぶることもあったほど、『関ジャム』とコンセプトが似た番組だった。日曜夜、2番組をセットのように見ていた筆者にとってはなかなかに寂しい出来事だ。だからこそ、『関ジャム』には今後よりいっそうの充実を望みたい。ちなみに、本日放送『関ジャム』のゲストは今が旬のCreepy Nutsである。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2021/09/19 20:00
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