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四千頭身・後藤、口数少ない=余計なこと言わない!?『モニタリング』で見せたブーム芸人から抜け出す進化の兆しとは

さらなる進化を見せるThe後藤ワールド

 本来ならここで終了だが、「後藤さんのサビがずれてる気がするんで、もう一度歌ってくれませんか?」というスタッフからのフリが入る。

 感が鈍い芸人なら「え?それって俺も落とす気じゃ……」と変な疑いを入れてしまいそうだが、後藤は「え? ずれてました?」と歌のほうへ自分の気持ちが行っているように演じる。

 落とし穴ですっかり忘れていたが、強烈で独特な後藤の歌を思い出し、もう一度アレが聞けるかと思うと、見てる自分も気分が高揚する。後藤は落ちるとわかっている状態でサビを歌い始め、予定通り落とし穴へ。「モニタリングです」というスタッフのボケに対して「わかってます! 僕だけは」と流行りの倒置法ツッコミを入れ「一番落ちるべき人は僕だったのかもしれないですね」というコメントで締める。

 最初から最後までThe後藤ワールドだった。

 出始めた頃から3人の中で後藤が注目されてはいたが、これほど2人との差が開いたのかと思った瞬間だった。

 もともとよく喋るイメージはない後藤だが、第7世代とちやほやされたピークと比べるとさらに口数が少なくなっている。ただ、これはマイナスではなく成長した証だ。

 彼の場合は口数が少ない=余計なことを言わない、だ。

 番組が何を望んで、どんな言葉が欲しいか理解していれば、それ以外の言葉は邪魔でしかない。つまり口数が減ると撮影は円滑に進み、編集も楽になる。大物になればなるほど、必要な言葉だけを言う。僕が若手時代に感じだことだった。

 話は逸れるが、ロケ番組を見ていて、芸人が喋っている最中に、場面転換をする時がある。それは芸人が必要のない言葉を喋っているという事だ。これが僕流のロケ番組の違った楽しみ方。ぜひ皆様もやってみてください。

 では話を戻そう。

 昔、売れる芸人はどのような過程を踏むのか分析したことがある。

 まず売れ始めると楽屋での口数が減る。これはテレビに限ったことではなく、ライブや舞台の楽屋も同様だ。理由はシンプル。常に何か頭の中で考えているからだ。

 要求されていることは何なのか、MCだったらほかの芸人は誰がいて、全員を面白くするにはどうしたらいいか、どのボケを軸にしたらいいのか? などを常に考えている。もちろん芸人同士でバカな話はするが、若手芸人の頃のように楽屋入りから出番まで話している何て事はない。楽屋の隅や、人気のないところで独り考える時間を作る。これが売れ始めた証拠と言ってもいい。

 口数が少なくなった次は、少し調子に乗り始める。分かりやすいのは変装だ。もちろん一流のタレントのようにどこでも変装するという事ではない。今まではライブ会場に行き、気づいてもらう事に喜びを感じていたはずなのだが、ある程度人気が出始めると、気づかれることに煩わしさを感じてしまう。

 もちろん応援してくれるのは嬉しいが、周囲の目が気になってしまうのだ。なので気づかれないように帽子を目深にかぶったり、サングラスやマスクをしたりする。

 口数が減り、変装すると段々と調子に乗ってくる。

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