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ブームは過ぎ去っても…「第7世代」がお笑い界にもらたらしたポジティブな効用

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霜降り明星せいやInstagram(@seiya_shimofuri)より

 2019年ころから“ブーム”になったとされていた「お笑い第7世代」。しかし、いつしか“第7世代”という言葉を聞く機会も減ってきている。

「1年前くらいまでは“第7世代”という言葉を冠にした番組や企画も多かったんですが、いまはほとんどないですね。現状では第7世代の“ブーム”は収束したと言っていいでしょう」(バラエティー番組関係者)

 とはいえ、“第7世代”と称されていた若手芸人たちが、仕事を減らしているというわけではない。

「霜降り明星などは、完全に同世代のトップ芸人として、未来のダウンタウン、ナインティナインを狙えるポジションを確保しています。テレビ各局のバラエティー班も霜降りには信頼を寄せていますよ。そのほかEXIT、四千頭身、ミキなども、第7世代のくくりはなくとも、着実にキャリアを積んでいますね。それぞれにレギュラー番組もあるし、ネタ番組も多いですから」(同)

 たしかに、『有吉の壁』(日本テレビ系)、『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)、『ネタパレ』(フジテレビ系)など若手芸人が多数登場する番組は今なお多い。

「過去のお笑いブームでは、ブームが過ぎ去るとネタ番組が一気になくなっていくという傾向がありました。しかし、“第7世代ブーム”に関しては、ブームが収束してもネタ番組が終わらないというめずらしいパターンになっているんですよ。そのおかげもあって、第7世代の芸人たちも仕事をなくさずに済むし、ブームが終わったことで第7世代に入りそびれた芸人たちにもスポットが当たるようになってきた。その結果、今はネタ番組の中で幅広い世代の芸人たちが切磋琢磨できている。お笑い界全体としては、第7世代ブームの頃よりも健全な状況になっていると思います」(同)

 少し前なら「第7世代はトークができない」などと言われていたが、今はそうでもなくなっているという。

「第7世代が出始めた頃は、中堅芸人に押される場面も多かったけど、そういったところで揉まれた結果、いまはトークの面でも十分に戦える第7世代が多い。中堅芸人にはない発想を持っている若手もいて、とても面白いですね。

 おそらく第7世代ブームがなければ、その世代の若手はチャンスを与えられなかったと思います。でも、ブームのおかげで才能がある若手が浮上することとなり、バラエティーの世界でいち早く経験を積み、よりおもしろく育っていく。そういう意味では、第7世代ブームはとても有意義なことだったと思いますね」(同)

 多くの“ブーム”が、過ぎ去った後、あれは単なるブームで中身はなかったなどとネガティブに評価されるものだが、第7世代ブームについてはポジティブな効果が大きかったと言えそうだ。

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2021/08/23 12:00
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