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四千頭身・後藤、口数少ない=余計なこと言わない!?『モニタリング』で見せたブーム芸人から抜け出す進化の兆しとは

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

お笑い芸人が売れていく過程とは

 例えば身につけるものにお金をかけるようになったり、例えば大衆居酒屋を避けて個室の店を予約するようになったり、局に入るときは顔パスじゃないと不機嫌になったり、朝はマネージャーに起こしてもらったり……。

 とにかく何かしら調子に乗る。調子に乗ると不思議とウチに秘めていた自信が溢れてくる。その自信はやがてオーラに変わる。よって”調子に乗る”という過程は必要であり重要なのだ。逆に売れているのに全く調子に乗っていない人に僕は会ったことがない。

 ここからが最も大事なことで最終段階と言っても過言ではない。何をするのかというと、調子に乗って伸び切った鼻っ柱を先輩やスタッフ、後輩などに思いっきり叩き折ってもらうのだ。

 先輩やマネージャーからの説教やスタッフさんからの指摘、後輩の追い上げなどなんでもいい。とにかく芸人を辞めず、仕事が減らない程度の挫折を味あわせるのだ。

 今までは不機嫌に「おざっす」と投げやりに挨拶をしていた芸人が「おはようございます」のようなきちんと挨拶をする芸人に変化する。

 これでやっと『自分に要求されていることや笑いの引き出しはそのままで、オーラをまとった腰の低い芸人』の出来上がりだ。

 一般の方で、学園祭やイベントでオーラは感じるけど、ものすごく腰が低かったという芸人に会った事があるなら、上記の経験をした芸人だと思って間違いない。

これは一般の会社でも言えることだ。自分の部下が調子に乗って困っている上司もいるだろう。だが部下が仕事を覚え、ある程度ひとりで出来るよう成長し、自信がついた証だと考えれば多少可愛く思えるだろう。

 子供が初めて逆上がりを覚え、親に何度も見せつける。そんな感じだ。

 子供も、上り調子は永遠に続くものではない。誰しもが失敗し挫折し、自分が井の中の蛙だったと気づく瞬間がある。そんなときにフォローしたり励ましたり、手を差し伸べる誰かがいれば、自信に満ち溢れた、仕事の出来る腰の低い素晴らしい部下が出来上がる。

 出来れば皆さんにはそんな誰かになってほしい。

 不可能ではない。

 だって2020年のIPPONグランプリ(フジテレビ)で苦戦し、なかなか”IPPON”が取れなかった後藤が、今は一人で笑いを何本もとれるほど成長していたのだから。

檜山 豊(ひやま・ゆたか)

檜山 豊(ひやま・ゆたか)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

最終更新:2021/09/25 19:00
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