日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 元芸人が考える「痛みを伴う笑い」とは

「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」とは何か? 元芸人が真剣に考えた

「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」とは何か? 元芸人が真剣に考えたの画像1

 いつの間にかめっきり肌寒くなってきた。秋を通り越し、冬の匂いさえ感じる今日この頃。そろそろ2021年も終わりに近づいていると実感する。年末を象徴するバラエティ番組と言えば『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ)だが、今年は5人の奮闘を見られないのは寂しい。

 番組が休止になった原因として、一部では8月に発表されたBPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」の審議対象になったことが原因ではと囁かれていたが、すでに3月くらいには休止が決まっていたらしく、BPOは何の関係もなかった、とのこと。

 9月26日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ)で、松本さん自身が「体力的なこともあって、いったんここで……」という理由を話していた。

 率直に言えば「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」に対して、審議をするというのはいかがなものかと僕は思う。今回は、元芸人として、お笑いを愛しているものとして、この「痛みを伴う笑い」について考えていく。

 まず、なぜ審議の対象となってしまったのか。それは「苦痛」を笑いのネタにする番組に対し、視聴者から「不快だ」「いじめを助長する」などの意見が継続的に寄せられているからだそうだ。

 僕はそもそも、この寄せられている意見が見当違いだと思ってしまう。

 この審議が話題になったとき、芸人のカミナリを思い浮かべた人が多いのではないだろうか。独特の茨城弁を使い、とぼけたようなボケに対して思いっきり頭を叩いてつっこむというスタイル。ボケのまなぶ君は坊主頭なので叩くと良い音が鳴って見ていて気持ちが良いくらいだ。

 カミナリは過去にBPOを思わせる架空の団体から“ネタの暴力性”について審議され、子供への悪影響を指摘されるというドッキリを仕掛けられたことがあり、その際につっこみのたくみ君はこう答えている。

「テレビを見て真似して、それが暴力沙汰になったりしたら、その子が単に判断力のない子なんだなって思います」
「もし、世の中にそういう子がいるとしたら、それは親の責任だったり、学校の責任だと思いますけど」

 なるほど。確かにそれも一理ある。だが僕の意見は少し違う。

 子供が大人に比べて判断力が無いのは当たり前であり、道を踏み外すこともしばしば。だから子供が判断をあやまったときには大人がフォローして当然だと思う。たくみ君の言うとおり、それは親や学校の先生の仕事だ。親や先生が正しい人間としての有様を教えていれば、カミナリのネタを真似したとしても暴力沙汰やいじめにはならない。

 ちなみに僕は中学生のころ、どうしてもお笑い芸人の練習がしたくて、友達を誘って生徒会を説得し、学園祭でネタをやった事があった。さまぁ~ず(当時はバカルディ)のコントと浅草キッドの漫才をひたすら練習した結果、学校でもトップクラスの人気者になった。お笑いはただバカな事をやればいいわけではない。細部に頭を使ってどうすれば笑いが起きるか考える。デメリットよりもメリットが多いはずなのだ。

 というか根本的に、カミナリのネタは”痛みを伴う笑い”なのだろうか?

1234
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
アイドル・お笑い・ドラマ…ディープなエンタメニュースなら日刊サイゾー
  • facebook
  • twitter
  • feed
イチオシ企画

春ドラマ開始! 今クール一番人気は?

2023年も4月に入り、新ドラマが続々とスタートを切っている。あの作品の評判をチェック!
写真
特集

「結いのおと」を成功せた“実行力”

 新型コロナもひとつ一段落し、今年はリアルでのイベントが盛り上がりをみせている。特に人々が待ち焦がれていたのが、音楽フェスだ。日本でフェス文化が一...…
写真
人気連載

「リトルタケシ」二ノ宮隆太郎の新作映画

 1シーン、1カット登場しただけなのに、...…
写真
UPCOMING

石山蓮華、推しとつながり続けるために

 俳優、文筆家であり、電線愛好家としても知られる石山蓮華さん。この4月からは、10年以上続いたTBSラジオ『たまむすび』の後継番組『こねくと』...…
写真