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『ねほりんぱほりん』香港のデモに参加した人「自由とは永遠の警戒心を持つこと」日本も対岸の火事じゃない

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

対岸の火事ではない。日本学術会議の任命拒否問題

 アンディさんが自国に疑問を持つようになったのは、中学時代。ウィキペディアで天安門事件の項を目にしたそうだ。天安門事件は香港の教科書でも紹介さるが、その内容は大まかだった。ウィキで詳細を知り、ひどい現実に彼は驚いたそうだ。

「ウィキペディアは中国では閲覧できないんです。こんな大事な情報も中国ではオープンにしないっていうことに戸惑ったんですね」(アンディさん)

 さらに、最近改訂された教科書では「三権分立は政府の独裁を防ぐ目的がある」という記述が削除されたという。教科書の記述が国にとって都合のいい内容に寄ったのだ。明らかに独裁国家へ突き進んでいる。

「だから、年々愛国教育が激しくなっているんですよ」(レオンさん)

 ここ数年、わが国も「日本すごい!」系の番組が異常に増えた。国の都合に合わせ、教科書内容が変わる流れも存在する。今回の『ねほぱほ』は、間違いなく日本に警鐘を鳴らしている。

 中国では「我が国には独自の道があるから、外国の思想を受けなくても大丈夫」という教育がなされているという。他の道を知らずに比較しなければ、不満を感じることもない。これは洗脳である。YOUがわかりやすいたとえ話を披露した。

「私は息子がいるんだけど、小さい頃に『お菓子買ってくれ!』って言われるのが面倒くさいと思ったから、3歳までお菓子食わさなかったの。そうすれば『買ってー!』とも言わないわけじゃん(笑)。知らなければ不満を感じない」(YOU)

 プチ独裁国家・YOUの家庭。知らない息子からはお菓子をねだられない。そんな情報操作が国単位で行われているのだ。

 ただ、良識ある人もいる。レオンさんが高校3年の頃、ホームルームで担任の先生が天安門事件について教えてくれたそうだ。

「『あの日、“いい国にしたい”と声を上げた若者が数多く殺されたんですよ』と、泣きながら話してくれたんです。先生は、『これは若い世代に伝えないといけないことだ』と知っていたので、カリキュラムにないことを教えてくれたんです」(レオンさん)

 レオンさんには、いい担任との出会いがあった。その先生は勇気を出し、自分が知る真実を生徒に教えてくれたのだ。

 しかし、もはやこういう教育を受けることはできない。香港で国家安全法が制定され、密告のホットラインができてしまったからだ。ヒトラーの独裁体制を強固にした制度は“密告”だったし、かつての日本の「隣組」が担った機能でもある。政府が密告を推奨し始めたら、その国は本当に危険な状況だ。香港なら天安門事件について話せたはずが、それももう過去の話。そして、いつ日本がそうなってしまわないか冷や冷やしている。

「普通は、マスコミが『そんなこと(密告推奨)が起きた!』って言ったりするけど、香港のマスコミはしないんですか?」(山里)

 しない。政府に批判的な新聞社「蘋果日報(アップル・デイリー)」の代表者が逮捕され、廃刊に追い込まれたのは記憶に新しい。これは、いわゆる見せしめ。恐怖政治である。報じる側だけじゃない。中国に批判的な書籍を販売した銅鑼湾書店(コーズウェイベイ書店)の店主は行方不明になってしまった。粛清だ。こうして、政府はマスコミをコントロールするようになる。日本がこのまま進んだ先にある惨状と言えなくもない。他人事と思えないのだ。

「ここで少し、日本での出来事を紹介します」

 番組が取り上げたのは、政府に政策の提言等をする学者たちの集まり「日本学術会議」だった。新たなメンバーとして推薦された人について、政府が任命を拒否した問題に関してだ。香港や中国を扱うことで独裁国家の危険性を啓蒙し、「ところで日本はどうなの?」と自国の暗部も紹介したこの日の『ねほりんぱほりん』。「このままで行くと日本も危ないよ?」と、我々に問うている。香港や中国と比較すべきは、過去の日本ではなく現在の日本である。対岸の火事じゃない。日本に置き換えることが大事なのだ。

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