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『ねほりんぱほりん』マイ宗教で“神様”名乗る母、子の苦労「親を殺す、殺さないのレベルで悩んで」

「もう一回焼き直しましょう」ヤケドした娘の手をコンロに突っ込もうとする母

 最もつらかったのは、親子の会話が成り立たないこと。例えば、「今日転んじゃって痛かった」と言えば「痛かったねえ。手当てする?」と返すのが普通の母子のコミュニケーションである。しかし、アヤさんの母は「それは邪気のせいだよ」と、何でも霊的な問題にしてしまうのだ。脚から血が出ているのに両手を握り、念を送ろうとする始末。

「これは違うでしょって一番思ったのは、小学生のときに加湿器でヤケドをしちゃったことがあったんですよ。そしたら『あらあら、これは火の精霊さんに謝らなきゃいけないから、もう1回焼き直しましょう』って、ヤケドした手をコンロに突っ込まれそうになって」(アヤさん)

「ツバつけとけば治る」で済まされたほうがまだマシだ。これは虐待である。「悪魔祓い」と称して殴る蹴るの暴行を行い、祈祷師が信者を殺害してしまった福岡の事件を思い出した。

 7歳の頃、母から「あなたは10歳の頃に死ぬ」と言われてこともあった。そして、「生き延びるために名前を変えろ。明日からあなたは○○だから」と命じられたそうだ。実際、アヤさんは7歳の頃に名前を変えている。その後、彼女は10歳を超えても生き延びた。「あなたは10歳の頃に死ぬ」の予言は当たらなかったのだ。しかし、母に言わせると「名前、変えたからね」ということになる。何があっても、母親は変わらない。

 ちなみに、この家庭には父親もいる。父は母の言うことをまったく信じておらず、それでいて夫婦仲はラブラブだそうだ。「も~う、何回も言ってるのにどうして信じてくんないの? これだから嫌だわ」(母)なんて言いながら、じゃれ合う2人。もしかしたら、夫から理解されない不満がアヤさんに向かったのかもしれない。

 両親の関係性は不可解だ。霊的にいいスポットを見つけると、その付近の家を購入する癖が母にはある。そんな大きな決断を自分1人で決め、夫には事後報告。すると、父は「(印鑑)押しちゃったんだ~」のリアクションで済ますそうだ。土地をホイホイ買えるくらい、信者からの献金があるということ。妻の宗教活動に夫が口出ししないのは、その辺に理由があるのかもしれない。

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