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「DVDプレイヤーボウリング」「ペンギンちゃん大縄跳び」

『魔改造の夜』RコーにDンソー、町工場も 技術者たちの本気の“遊び”がアツい!

『魔改造の夜』RコーにDンソー、町工場も 技術者たちの本気の遊びがアツい!の画像1
『魔改造の夜』(NHK BSプレミアム)公式サイトより

 1月22日と29日の2週にわたり、『魔改造の夜』(NHK BSプレミアム)の第4弾が放送された。

 魔改造を「オモチャや家電のリミッターを外し、えげつないモンスターに改造する行為」と定義する、この番組。今回出場したのは、金属加工のプロである下町工場「S陽製作所」、コピー機などの巨大メーカー「Rコー」、世界有数の自動車部品メーカー「Dンソー」の3チームである。相変わらず、この番組は企業名を伏せる気が皆無のようである。

 注目は、大手企業枠が2チームもあるところ。RコーとDンソーという有名会社のマッチアップは楽しみだし、特にDンソーの参戦には心躍った。完全にガチ勢であり、伏せ字がここまで伏せ字にならないメーカーも珍しい。実は、Dンソーは第1弾のT社や第4弾のN産から続く自動車メーカー枠でもある。

 あと、やはり今回も学生チームの参加は叶わなかった。コロナ禍で授業や研究では必要最低限しか集まっていないだろうし、状況的にそれはもう仕方がない。

<過去回のレビューはこちら>
『魔改造の夜』は世のエンジニアを刺激したか 魔トースターが食パン宙に跳ばし、魔ワンちゃんも超高速移動!
NHK『魔改造の夜』大企業の技術力VS中小企業の底力! 扇風機が走り、赤ちゃん人形が綱を渡る

DVDプレイヤーをボウガンに魔改造し、ボウリングのピンを倒す

 最初の種目は、DVDプレイヤーを魔改造し、ディスクを投げてピンを多く倒す「DVDプレイヤーボウリング」であった。なんなの、この競技は? なぜ、DVDプレイヤーでボウリングができると思ったのか? お題の時点で、もう狂っている。つまり、ディスクを出すイジェクト機能を飛ばすための機能に改造するということらしい。配信やサブスクが主流になった今、物理メディアの新たな存在意義を見出そうとしている? ちなみに、的となるのは25m先にある10本のピンだ。遠すぎる。フリスビーゴルフみたいなものだろうか。

 1番手として挑戦したのは、S陽だった。入場曲は、ハルク・ホーガンのテーマ「リアル・アメリカン」である。同社の社長が普段の業務内容を自己紹介した。

「例えばロマンスカーの座席とか、あるいは歌舞伎座の椅子とか、プラネタリウムの椅子関係とか、鉄の部分を一気にやらさせてもらってます」

 ロマンスカーの座席を作っている町工場にDVDプレイヤーを改造させてどうする。そんな彼らがこの競技に向けて作り上げたのは、ボウガンみたいなブツだった。初っ端からDVDプレイヤーの跡形はなく、殺傷兵器にしか見えない。完成品の名前は、「ハルク・ボーガン」。だから、リアル・アメリカンで入場してきたのか! その名の通り、発射速度80kmという強力なパワーを秘めているとのこと。時速80kmでDVDをイジェクトするプレイヤー? もう、意味がわからない。

 ちなみに、S陽がDVDプレイヤーをボウガンへと魔改造させた契機は、社長が知人からもらった競技用アーチェリーだった。「ディスクを粉々にして散弾銃にする」という珍奇なアイデアも飛び出していたが、これを機に方向性も定まった。方針が決まるまでの試行錯誤も、この番組は面白い。

 ということで、アーチェリーをそのまま有効活用した試作機が完成。画面隅に「改造は絶対マネしないで下さい」とテロップが出ていたが、当たり前である。できない。本当、頭のおかしいことばかりする番組だ。結果、この試作機は試行錯誤の末に5本のピンを倒すことに成功! 社員たちは「めちゃくちゃいい」「完璧」と満足の様子だ。その姿を見た社長は、みんなを招集した。

「たまたまうまくいったっていうのは、成功体験でもなんでもないの。『あー、やったー! 倒れた!!』で終わってるだろ? っていうことはオモチャ。不具合があるんだろ? 失敗してもいいよ。仮説を立ててやらないことにダメだと言いたいの」

 厳しいが、さすがの指摘だ。数本倒してOKじゃあ、本番では勝てない。一時の気の昂りと成果を混同してはならない。不具合があれば、検証を重ねること。そこらのスポコン漫画よりよっぽど根性ものだ。今回のプロジェクトリーダーは、ノートにこんなことを書き込んでいた。

「夜中に目覚めた。DVDが飛んでる夢を見た。つかれてるなぁ」

 なんなの、その「DVDが飛んでる夢」って? 「つかれてるなぁ」とは「疲れてる」と「憑かれてる」のどちらを指しているのかも迷う。まるで、現代の『プロジェクトX』だ。でも、彼らがストイックになっているのは商品開発ではなく、DVDでボウリングをするためである。

 そして、本番。S陽の飛ばしたディスクは下に沈んだり上に浮かんだり、ガターを3度も繰り返した。ただのボウリングと違い、高さも考慮する必要のある競技だ。歴代最高レベルで難易度が高いお題と言えるだろう。しかし、4投目でついにピンにヒット! ピン手前で台座に着地し、バウンドしたディスクが6本ものピンを倒したのだ。中小企業の意地を見せたS陽。他社もみんなで拍手し、会場はもはや一体。なに、この感動は。

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