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岸田文雄首相が掲げる絵空事の「新しい資本主義」と後手後手のコロナ対策

埼玉医師銃殺事件と週刊誌報道

 さて、今週の第1位は、文春の取材力を見せつけた、埼玉県で起きた医師銃殺事件を追った記事に贈りたい。

 かつて事件といえば新潮だった。新潮の取材力、警察人脈には、現場で嫉妬を覚えるほど見事だった。

 事件取材は、事件が好きで、何度も現場を踏まないと一人前にはなれない。そいう意味では、今の現代もポストも、事件取材はなかなかやりにくくなっていると思わざるを得ない。

 事件ができる記者がいなくなるということもあるが、もっと難しいのは、事件を扱える編集者が育たないのだ。

 週刊誌の取材時間は短い。瞬時にして、記者をどう動かすか、どことどこを取材させるか、大体どのような記事になるのかを頭に描かなければならない。

 そのようなことができる記者も編集者も、文春に集まっているのだろう。芸能人の不倫現場も、総務省の官僚たちの接待現場も、事件取材と同じである。

 そこで鍛え抜かれた人たちが取材した事件物がおもしろくないはずがないのである。

 埼玉県ふじみ野市の住宅街の中にある民家で、突然銃声が響き渡ったのは、1月27日の夜9時頃だった。

「ふじみ野在宅クリニックの鈴木純一医師(44)を人質に立てこもったのは、この家に住む無職・渡辺宏(66)。約十一時間後、県警が玄関のドアを破り、渡辺を殺人未遂容疑で緊急逮捕した。
『鈴木医師は意識不明の重体で病院へ搬送され、その後、死亡が確認された。理学療法士の男性は胸を撃たれて重傷。渡辺は九十二歳の母親と二人暮らし。母の最期を看取り、死亡診断書を書いたのは鈴木医師でした。
 同日、渡辺は「線香上げに来てほしい」と、弔問に来るよう要求。翌日夜九時頃、鈴木医師ら七人が渡辺の家を訪れた際事件が起こった』(社会部記者)

 渡辺は犯行の動機を、こう供述している。

「母が死んでしまい、この先いいことはないと思った。自殺しようと思ったときに、自分一人ではなく、先生やクリニックの人を巻き込んで殺そうと思った」(文春)

 1955年11月、渡辺は東京の下町、江戸川区に生まれた。町工場が点在し、職人たちが路地を忙しく行き交う町である。

地元の小中学校時代の同級生が当時を振り返ってこう語る。

「彼は目立たなかったけど、母親と顔がそっくりだった。彼は地元の中学高校を出た後、江戸川信用金庫(現・朝日信用金庫)に就職した」

 信金に職を得た息子は、渡辺家にとっては誇りだったという。渡辺は26歳のとき、木造2階建てのマイホームを新築したそうだ。

 母親はいつも、「宏が、宏が」と可愛がっていたというから、自慢の息子だったのだろう。

 しかし、一家団欒の日々は長くは続かなかったという。渡辺の知人によれば、会社のカネを使い込み懲戒免職になったというのだ。

 手に入れてわずか4年後に自宅を手放す羽目になった。借金取りがドアを叩き、怒鳴るので、電気を消して居留守を使っていたそうだが、やがて、夜逃げ同然にいなくなってしまったという。その後両親は別離したそうだ。

 しかし、移り住んだところへも借金取りはやってきた。

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