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岸田内閣、中露の脅威や新型コロナで支持率最低…人気取り法案「経済安全保障」延命なるか

岸田内閣中露の驚異に新型コロナで支持率最低…人気取り法案「経済安全保障」延命なるかの画像1
岸田文雄首相(写真/GettyImagesより)

 後手後手に回る新型コロナウィルス対策が祟ったのか、岸田文雄内閣の支持率はこのところ下がり気味だ。毎日新聞と社会調査研究センターが今月19日実施した全国世論調査によると、内閣の支持率は45%で、1月22日の前回調査(52%)から7ポイントも下落して、2021年10月の政権発足以降最低となった。

 じり貧ぶりを見せ始めた岸田文雄首相が、乾坤一擲の目玉政策として掲げるのが「経済安全保障」だ。

 政府に忖度しているのか、新聞、テレビを問わず、日本の主要メディアは連日「経済安全保障」を取り上げるので、この六文字が報道で消えることはない。ビジネスマン向けの「経済安全保障」関連のセミナーも各地で盛んに開かれる。

 東京大学公共政策大学院にいたっては、この4月から企業の経営幹部向けの「経済安全保障」特別講座を開講する予定だ。計10回のプログラムで受講料50万円であるが、同講座への申し込みは殺到しており、各企業は将来の役員候補を送り込む。

 岸田内閣はこの経済安全保障を具現化する「経済安全保障推進法案」を今国会で何が何でも成立させ、7月に行われる参議院選挙に岸田内閣の“輝ける実績”のひとつとして掲げ選挙戦に臨む構えだ。

 事務方のトップとして法案作成を取り仕切った、経済安全保障法制準備室室長の藤井敏彦内閣審議官の朝日新聞女性記者(祖父は二階堂進元自民党幹事長)や日立製作所の女性部長との“不適切な関係”やビジネススクールで講師を務める闇営業などが2月17日と同24日付の『週刊文春』)で報じられるなど、“文春砲”による砲撃はあったが、これも藤井氏個人の更迭だけで済まされたので、体制への影響は限定的なものとなった。

罰則削除で簡単に骨抜きとなった法案

 政府の有識者会議の提言などによると、法案は7章からなる。取り組むべき項目として4つの項目を挙げる。(1)サプライチェーン(供給網)の強じん化、(2)基幹インフラ(電力、通信、物流など)の安全性と信頼性の確保、(3)官民の協力による先端技術開発、そして(4)の特許出願の非公開だ。

 サプライチェーンの確保では、企業に半導体や医薬品などの特定重要物資に関する供給計画の作成を求める。何が特定重要物資になるかは政府が政令で定め、資料提出に応じない企業に対しては30万円以下の罰金も設けた。特定重要物資には電気自動車(EV)や風力発電などの製造に欠かせない、中国に豊富にあるレアアースも含まれる見込みだ。

 基幹インフラの事前審査は電力やガス、石油、水道、通信や放送、郵便、金融、クレジットカード、それに鉄道、トラック、船舶、航空、空港の14の業種とする方針だ。

 この基幹インフラでは、サイバー攻撃を受ける懸念のある重要設備に外国製品が使われていないかなどを国が事前審査する。事業者は重要設備の導入に際し、機器名や時期を記した計画書を政府に提出することが求められる。場合によっては国家の経済安全保障を脅かす事態も招きかねないので、国に計画書を提出しない、虚偽の報告をした企業に対しては2年以下の懲役刑または100万円以下の罰金を課す。

 しかし、原案に盛り込まれた罰金、懲役刑などの罰則規定は経団連や公明党などから「経済活動を委縮させる」との懸念が上がったことを受け、政府が定める特定重要物資の供給に関し、民間事業者が資料提出に応じない場合に科される「30万円以下の罰金」など一部罰則が削除されることになった。

 自民党関係者の一人は、「媚中派の先生方が裏で動いているとは考えたくないが、法案提出前にかなり骨抜きにされた」と嘆く。

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