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『家つい』が掘り起こす高円寺のディープ。元京大生の衝撃ルーティンと路上で号泣のカップル

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『家つい』が掘り起こす高円寺のディープ。元京大生の衝撃ルーティンと路上で号泣のカップルの画像1
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)

 3月16日放送の『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)で、高円寺界隈に在住の2組が登場した。なぜ、『家つい』はこのエリアを重宝するのか? “若い人”、はたまた“変な人”が多いからだろうか。

2カ月前の取材と同じ行動をする元・京大生によるデジャヴ

 最初のVTRが始まる直前、画面上に「1つ1つの言動に注意しながらご覧ください」「最後に……衝撃の結末」なるテロップが表示された。何があったというのか? 怖い話なのだろうか。

 2019年9月、高円寺駅前でスタッフが声をかけたのは、仕事帰りだという27歳の男性だった。かれこれ2年半前のVTRだ。

――お名前をお伺いしてもよろしいですか?
「名前は……これは……苗字ですかね?」
――そしたら、下の名前でも大丈夫です。
「つよしです」

 名前を言い渋った彼の名前は、つよしさんだ。自宅は駅から徒歩2分だそう。タクシーを使う必要がないので、取材謝礼としてコンビニで好きな物を買ってもらうことに。自宅近くのセブンイレブンで彼が購入したのは、2リットルの「サントリー 天然水」2本だった。計224円である。

 ちなみに、彼の最終学歴は大学院卒。なんと、あの京都大学だ。

――今のお仕事はなんですか?
つよし 「ゲームですね。ゲーム関係です」

 京大からゲーム関係の会社というルート。京都だけに任天堂だろうか? そんなこんなで、彼の住むマンションへ到着。家賃75,000円の1Kは、はっきり言って散らかっていた。そんな汚部屋で大きなスペースを占拠するのは、いわゆるソファベッドである。ちゃんとしたベッドも置いてるのに、なぜ?

「一応、来客者用のベッドみたいな。たまに友だちが来たら、『こっちで』みたいな感じです」(つよし)

 というか、この部屋によく人を招けるものだ……。そして、ベッドサイドの棚にはビオフェルミンが置いてあった。

「わりとお腹をこわしちゃうんで。ビオフェルミンを寝る前に飲んで、電車に挑む感じです。ビオフェルミンは欠かせないですね」(つよし)

 部屋の片隅に置いてあったのは野球のグローブだ。彼は野球をやっていたのか?

「いや。僕は野球をやったことがないので1回も使ってないですけど、キャッチボールしたいと思ったことがあって、グローブを買ったんです。『よっしゃー、できるぞ!』って思ったら、そこからは『明日でよくない?』みたいな(笑)。モチベ高かったんで、キャッチボールモチベが。でも、やる直前で収まっちゃうんですよね」(つよし)

 本棚を見ると、弥生時代や縄文時代の難しい本がたくさん並んである。学生時代に学んだ書籍だろうか?

「ほとんど読んだことなくて、それっぽさを出そうと思って並べてます。友だちが来たときにここを見ると『やっぱ、京大やな』となるんで、『せやろ』って言うために並べてます」(つよし)

 とはいえ、彼が学んだ学問はこれらの本の内容とかなり近しい。

「縄文人の耳の骨をCTスキャンで撮って、東北人の縄文地方と中国地方の縄文人の耳の三半規管の骨の形を比べる研究をやってたんですけど。本当に人類にとって役に立たない……(苦笑)」(つよし)

 自虐しているものの、院に入ってまで続けた研究だ。本心では好きな分野なのでは?

「いや、『就活したくない』って気持ちが強くて、就職しないでいるには『大学院生になったらいいんじゃないか』って気付いて、院に進もうって」(つよし)

 京大卒なのにダメ人間感が強いつよしさん。ここまでエリート臭のしない高学歴もめずらしいが、“モラトリアム院生”の割合は実のところ多かったりもする。しかも彼、ゲームはほとんどしないそうだ。そんなに嫌だった社会人生活の毎日の感想は?

「まあ、比較的地獄って感じですね。こんな地獄みたいな生活してるなんて面白いなあっていう」(つよし)

 確かに、ゲーム業界はブラックだと聞くけども……。そして、ここで流れるLet It Be。正直、特別おもしろいエピソードはなかった。はて、何が衝撃の結末なのだろう。学歴を詐称してたのか、それともゲーム会社はウソだったのか?

 そして、2019年11月。先ほどとは別のディレクターが高円寺駅前で声をかけたのは、またしてもつよしさんであった。やはり、仕事帰りのようだ。スタッフが質問する。

――何系の仕事ですか?
つよし 「スマホゲームとかですね」

 スタッフは、「家、ついて行ってイイですか?」とつよしさんに尋ねた。

「まぁ、大丈夫ですよ。徒歩2分とかなんですけど」(つよし)

 また行くのかよ! というか、『家つい』に取材された過去をなぜ言わないのか? 数年前の話ならまだしも、たった2カ月前の話だ。つよしさんは覚えているだろうに。

 というわけで、例によってコンビニで好きな物を買ってもらうことに。つよしさんが立ち寄ったのは、見覚えのあるセブンイレブンだ。購入したのは2リットルの「サントリー 天然水」2本。合計金額は224円だ。

――お名前伺ってもいいですか?
つよし 「名前っすか? 名前は……下の名前で。つよしで」
――ちなみに、大学って?
つよし 「京都大学です」

 2カ月前と同じ話をしながら、2カ月前と同じ家へ到着。玄関を開けるとやはり散らかっており、見覚えのあるソファベッドが置いてあった。

「友だちが泊まりに来たら、『じゃあここで寝てください』って言って」(つよし)

 ここからはもう、既視感しかない。天丼の連続だ。

「やっぱり、ビオフェルミンは欠かせないですね。これがないと電車降りちゃうみたいな」
「(グローブを見ながら)野球はしたことなくて」
「西日本の縄文時代の人と、東日本の縄文時代の人で耳の形に違いはあるのか? みたいな感じで比べたんですけど」
「仕事はもう、全然地獄です(苦笑)」

 まるで、本人が出演する再現ドラマだ。もしくは、セルフ再放送である。受け答えしながらつよしさんがニヤついているのは、気付いてほしくてウズウズしているから? こうなると気になるのは、予告された「衝撃の結末」というやつだ。彼は記憶喪失者なのか、健忘症なのか、それとも双子だったのか……と思っていたら、つよしさんの口からようやく新情報が!

――冷蔵庫って見ていいですか?
つよし 「今、冷蔵庫開けれない状態でして。プリンを買ってずっと放置してたら、中で溶け出して容器から出ちゃって、『これはもう開けないでおこう』っていう(苦笑)。半年以上開けてないですね」

 今まで手を付けていなかった挑戦に着手するよう、スタッフはつよしさんに促した。就職でもキャッチボールでも、チャレンジに躊躇してきたつよしさん。今度は殻を破ってもらいたい。

「正直、いつかは向き合わないといけないと思っていたので……はい」(つよし)

 意を決したつよしさんは、冷蔵庫を開けた。すると、中にプリンは入っていなかった……。

「プリンは……いなくなってます。マジでわかんない(苦笑)。片付けモチベが高かった昔の自分が片付けてくれたんですかね? 本当に記憶にないんです」(つよし)

 見ていて、気味が悪くなってきた。彼は「ジキルとハイド」的な解離性同一症なのだろうか? 

 あれから2年6カ月後、番組はつよしさんに追加取材を行った。どうやら、彼は会社を退職したようだ。今はシェアハウスに住みながら無職生活を満喫しているらしい。まあ、京大卒の肩書があれば再就職は余裕だろう。ところで、『家つい』の取材を受けたことを、なぜ彼は明かしてくれなかったのか?

「『今ってそういう番組多いんだなあ』くらいの気持ちで。声かけられて、家に向かってる途中に『あれ? これって……』と薄々感づいた感じです。取材に来ていただいた方があまりに一生懸命いろいろ聞いてくれるので、途中で言うのも可哀想だと思いました」(つよし)

 優しさから言えなかっただけらしい。でも、よく考えたら当たり前である。わずか2カ月の間隔なら日々のルーティンはそう変わらないだろうし、大方の会社員は無限ループのような生活を送っている。そもそも、つよしさんの回答が同じと言うより、スタッフの質問が同じだっただけだ。

 今まで数度の取材を受け、その度にデジャヴのような展開が続いていくVTRを何度か見たことがある。中でも特にインパクトが強かったのは、年齢不詳・女性ベリーダンサーの取材VTRだった。今思い出しても、あれは怖い。

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