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レジオネラ菌っていったい何?兵庫県で1人死亡2016年には1500件超―予防法は?

文=鷲尾香一(わしお・こういち)

レジオネラ菌っていったい何?7月9月発生しやすく2016年に1500件超報告、予防法は?の画像1

 宿泊施設の浴槽から検出されたレジオネラ菌で70代の男性が死亡したことで、ネット上でレジオネラ菌が話題となった。レジオネラ菌とはどのような細菌で、どのように感染するのか。また、感染を防止するにはどのようにすればいいのだろうか。

 兵庫県神戸市にある日本郵政が運営する温泉宿泊施設「かんぽの宿 有馬」で、3月にこの宿泊施設を利用した70代の男性2人がレジオネラ菌に感染し、このうち1人が死亡していたことが明らかになった。

 男性2人は肺炎を発症し検査の結果、レジオネラ菌に感染していることがわかった。神戸市が同施設に立ち入り検査したところ、浴場から検出された菌と男性2人から検出された菌が一致した。

 レジオネラ菌は、1976年に米国ペンシルベニア州米国在郷軍人会(レジオン)の大会が開かれた際、参加者と周辺住民221人が原因不明の肺炎にかかり、34人が死亡したことで命名された。

 レジオネラ菌はアメーバなどの原生生物に寄生しながら、土壌や河川、湖沼(淡水)などの自然界に生息する常在菌。

 感染の主な病症として、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎(在郷軍人病)」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」がある。

 潜伏期間は2~10日で、レジオネラ肺炎は全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38度以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が現れ、死に至るケースもある。
一方、ポンティアック熱は発熱、悪寒、筋肉痛などの症状が出るが、それらは一過性で自然に治癒する。

 感染は主に、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入、汚染された水の誤嚥、汚染された土壌の粉塵の吸入などによる。

 最も多いのは、エアゾルの吸引で生活環境の中でも、水を溜めて利用する入浴施設、空調設備の冷却塔、加湿器、循環式の浴槽水、給湯設備、貯水槽などから感染する。

 レジオネラ症は99年の感染症法の施行に伴い都道府県に報告が課されたことで、発生状況が正確に把握できるようになった。さらに、近年の検査法の開発と普及に伴い、報告件数は増加が続いており、16年には1500件を上回る報告があった。

 国立感染症研究所によると、国内の発生例は一年中みられるが、特に7月、9月に多く、また国内だけではなく、直近10年間は中国、韓国、トルコ、イタリア、台湾などでの感染が疑われる事例が多い。

 高齢者や新生児は肺炎を起こす危険性が通常より高いので注意が必要でまた、大酒家、喫煙者、透析患者、移植患者や免疫機能が低下している人は、リスクが高いとしている。男性と女性では8:2で男性の感染者が多い。

 それでは感染を防ぐためには、どのようにすればいいのか。それは、とにかく風呂や給湯設備、加湿器など、日常で水を利用するものを清潔にすることだ。

 特にレジオネラ菌はバイオフィルム(浴槽などに発生する生物膜)と言われる細菌で。形成される“ヌメリ”が生じないように清掃をすること。浴槽に入るよりも、シャワーが安全と考えている人がいるが、シャワーヘッドが感染源となる可能性も高い。

 レジオネラ菌は60度で5分間加熱すると殺菌できるので、加熱殺菌を行うのも有効な方法だ。

 とは言え、今回70代の男性が死亡したように、温泉施設などでは自らが消毒や殺菌をすることはできない。そこで、温泉を選ぶ場合には“かけ流し”温泉をお勧めする。循環式の温泉よりは安全性が高い。さらに、源泉の温度が60度以上なら、さらにいい。

 また、循環式の温泉を利用する場合には、打たせ湯やジェットバス、気泡風呂、低温サウナなどの利用を避け、エアロゾルの吸入を避けるのもひとつの方法だ。

 レジオネラ菌は人から人への感染はないが、今のところ予防ワクチンはないので、感染予防は自らで行うしかない。

鷲尾香一(わしお・こういち)

鷲尾香一(わしお・こういち)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」ほかで執筆中。

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Twitter:@tohrusuzuki

最終更新:2022/04/20 07:00

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