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細田衆院議長「2人きりで会いたい♡」女性記者へのセクハラ疑惑と新聞社の“他人事”

現場に全責任なすりつけ、記者を左遷・処分…朝日新聞が死んだ日

 元朝日新聞の記者だった鮫島浩(50)は、東日本大震災の福島第一原発事故のとき、東電の吉田昌郎所長が政府事故調査委員会で聴取に応じた記録をスクープした担当デスクだった。

 このときの衝撃を、私も忘れない。「さすが朝日、どえらいスクープをものにしてくれた」。そう思って読んだ。

 だが、読み進めていくと、「吉田所長は第一原発での待機を命じていたのに、所員の9割が命令に違反し、第二原発に撤退していた」というところに違和感を感じた。

 たしか記憶では、小見出しも、所員の9割が違反と付いていたと思う。所長の話の内容と小見出しとの間の齟齬が、このスクープの価値を下げていた。

 内容の“誤読”ではすまないのではないか。そう思っていたら、朝日の迷走が始まった。

 鮫島は当初、木村伊糧社長や報道部長たちから、「新聞協会賞間違いない」と絶賛されたという。

 だがそのわずか4カ月後に、暗転する。私が考えたように、9割が違反という表現に批判が殺到したのである。

 そこで鮫島は、第一報を修正する続報を出そうと考えた。だが、社長の取り巻き連中は、協会賞を申請できなくなる、社長の機嫌を損ねることになると忖度し、それを認めなかった。

 その後、朝日新聞が「慰安婦問題を考える」という特集記事を掲載して、これまで金科玉条のごとく報じてきた吉田清治証言を虚偽と判断して、過去の記事を取り消したのだ。

 吉田証言を取り上げてから、実に20年も経っていた。

 この記事が、反朝日の勢力から猛烈な批判を受けた。「吉田調書」と「吉田証言」に加えて、慰安婦問題をめぐる朝日新聞の対応を批判するジャーナリスト・池上彰の自社のコラムに木村社長が激怒し、掲載を拒否してしまったのだ。

 当然ながら、木村は退任するのだが、その会見で彼は、直接関与していなかった「吉田調書」問題の責任を取るといったのだ。

 そして関係者を厳正に処分すると発表したのである。自ら責任のある慰安婦問題やコラム封殺を隠蔽するために。

 鮫島は停職2週間の懲戒処分され管理部門へ左遷、吉田調書をスクープした記者まで処分されたというのである。

「経営陣が自分たちの失敗を棚上げして現場の記者に全責任をなすりつけたら、失敗を恐れて無難な仕事しかできなくなってしまう。これが、朝日新聞が死んだ最大の原因ではないでしょうか」(鮫島)

 朝日新聞だけではない、ほとんどの大、中堅新聞、テレビ局も、同じような構図で、自ら死んでいったのである。

 朝日新聞は「2022年3月期連結決算は、売上高が前年比7・2%減の2724億7300万円、営業損益が95億100万円の黒字で、新型コロナの影響を受けた前年の70億3100万円の赤字から2年ぶりに黒字へ転じた」とはしゃいでいる。

 おおかた不動産収入と、東京五輪のための広告増などがよかったのだろう。本業では部数減が止まらないはずだ。

 朝日、読売、毎日、東京、これらの新聞がこの世から消えても、日本社会は何ひとつ変わらず、不都合なことは何もないのではないか。

 それは、この国で本当に困っている人間の側に、新聞も記者たちも寄り添おうとしていないからだ。国のあこぎなやり方に大声で異を唱えもしない、弱者は放っておかれっぱなしでは、新聞など、否、メディアなどいらない。

 夏の参院選で自民党が勝てば、日本維新の会と組んで、憲法改正をやってくることは間違いない。それも目的は憲法九条の全否定である。

 九条をなくしてしまえば、この国は平和を希求する国家だとはいえなくなる。極東の小さな島国が、身に余る軍隊を抱え、米国の身代わりに、中国、ロシア、北朝鮮と戦争をしようというのである。

 こんなバカな国にするために、朝日新聞は日々、紙面を作ってきたのか。時間は残されていないが、朝日新聞が目指してきたはずの、「戦争は絶対してはいけない。そのためにこそ新聞はある」というジャーナリズムの使命を思い出し、全社を挙げて、憲法改悪阻止に社運を賭けるべきだ。私はそう考える。

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