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安倍家の“旧統一教会人脈”、永田町を汚染していった「当選」という甘い果実

安倍元首相の「国葬」で蘇る、東京五輪の哀しみ

 安倍元首相の暗殺犯である山上徹也容疑者の話が出なくなってしまった。逮捕されて、流れてくるのは警察に都合のいい話ばかりだから、週刊誌も興味を失ってきているように思える。

 文春が山上徹也の570日という特集を組んでいるが、ほとんど目新しい情報はない。

 私はこの手のものを読んでいて感じるのだが、山上は、統一教会幹部を狙おうとしていたが隙がないので、安倍にターゲットを変えたといっているようだが、本当のところは、最初から狙いは安倍元首相ではなかったのだろうか。

 山上は、自分の母親と兄妹の人生を狂わせた統一教会が憎いといっていたが、そんな邪悪なカルト教団を野放しにし、そいつらと手を組んで便宜を図っている政治家、特に安倍元首相への憎しみが膨らんでいったのではないか。

 それに、教団幹部を殺すより、力も知名度もある人間を殺めれば、メディアは大きく報じることは間違いない。

 そうすれば、統一教会という存在も、彼らがやってきた卑劣な活動も、お天道様に晒されることになる。

 それが山上の狙いだったのではないか。そして、その目論見は間違いではなかった。

 腰抜けの大メディアが統一教会の暗部をどこまで抉りとれるかは不透明だが、この教団のいかがわしさ、ハレンチさ、邪悪な本質は、再び日本人の間に広がり定着するであろう。

 2、3年もすればすっかり忘れるだろうが、少なくとも、統一教会=世界平和統一家庭連合の悪名は、かなり浸透したと思う。

 それでも、勧誘され、洗脳される人は出てくるだろうが、人数はかなり少なくなるであろう。そういう淡い期待を持ってはいるのだが。

 さて、安倍元首相を国葬にしようという岸田政権の強引なやり方は、多くの国民の反発を呼んでいる。

 なぜ、功罪半ばする、否、罪が完全リードする安倍元首相を、一応、国民みんなで悼もうというのは無理があり過ぎる。

 サンデー毎日で、元皇室記者で現在は成城大の教授である森暢平が、吉田国葬について論考している。

 吉田の国葬を、評論家の大宅壮一はこのようにいったという。

「新しい日本のあり方から見れば吉田には否定されるべきものがあるのに、日本のメディアはそれを報じておらず『使命を十分に果たしているであろうか』と書いている」

 週刊文春(2067年11月13日号)は、「テレビが一番つまらなかった日」と評した。

 そしてその国葬後に、ナショナリズムが高まっていったという。

 元毎日新聞論説委員の松岡英夫は、サンデー毎日(1975年6月2日号)でこう書いたという。

「人の死は、本当にその死を悲しみ悼む人々によって葬われるべきである」

 当たり前すぎる意見だが、この程度の「考え」も、今の大新聞がはっきりいえないのが情けない。

 東京五輪という汚れちまった哀しみの記憶が、1年後に司直の手によってふたたび満天下で蘇ろうとしている。

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