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安倍家の“旧統一教会人脈”、永田町を汚染していった「当選」という甘い果実

永田町を汚染していった安倍家の“統一教会人脈”

 さて、今週の第1位は、安倍暗殺事件の核心である統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と、自民党、それも安倍家三代との深いつながりを追った新潮の記事にあげたい。

 安倍元首相の暗殺事件に端を発した統一教会と自民党との“癒着構造”を容赦なく暴いているのは週刊誌で、テレビはもちろん、新聞も腰が引けていて、何をいいたいのかわからないものが多い。

 中でも、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三の安倍家三代と統一教会との関係は、週刊誌の独壇場である。とりわけ新潮(7/28号)の「『岸信介』が米大統領に送った『統一教会首領』釈放嘆願の親書」は小気味いいスクープだった。

 今週の新潮は、岸、安倍晋太郎、そして晋三へと、統一教会との関係は脈々と受け継がれてきたと考えていいはずだとして、こう報じている。

 不思議な因縁、事実は小説より奇なり。今回の事件は、そういうしかないのではないか。
 新潮は、こうした密接な関係は安倍晋太郎、そして安倍晋三へと引き継がれ、自民党の議員を巻き込みながら、現在まで連綿と続いているという。

「選挙で誰が統一教会の支援を受けるかは、安倍さんの一存で決まると言われていました」
と自民党のベテラン秘書がいう。

「教会の組織票は約8万票と言われています。ただ、衆院選では1選挙区あたりの統一教会の票数はそれほどでもないので、参院の全国比例でその組織力が発揮されます。どの候補を応援するかは、安倍さんの意向がかなり反映される。落選しそうな意中の候補がいれば、安倍さんから、“彼を頼む”といった具合です」

 実際、過去に統一教会系の団体から推薦を受けた元議員はこう語っている。

「推薦を受けるにあたって団体のトップと面談をします。そこでは、不倫スキャンダルや金銭トラブルがないことが条件で、さらに安倍元総理が応援している候補であれば、ほぼ確実に支援してもらうことができます。選挙の直前になると、統一教会系の施設で泊まりがけの研修を行います。自分の場合は妻同伴で2泊3日でした」

 宿泊までして研修させられるのだから、この中で“洗脳”された人間が出ても不思議ではない。統一教会の推薦が決まると手厚い支援が受けられるといわれる。

「一般的に統一教会サイドから20~30人程度のボランティアが連日手伝いに来てくれます。電話作戦やチラシ配り、ポスター張りなどの機動部隊となってくれるので、貴重な戦力です。15~20人くらいの人数で選対事務所を切り盛りしているところもありますから、本当に助かります」(県連関係者)

 カルト宗教の問題を追及しているジャーナリストの鈴木エイトは、統一教会の関連団体のイベントへの出席歴や献金を受けたりした議員を独自に調査し、100人を超えるリストを公表している。そこには、麻生太郎自民党副総裁をはじめ多くの“重鎮”が名を連ねているという。

 細田博之衆院議長もその一人で、2019年10月に、統一教会系の天宙平和連合(UPF)が主催する会合に出席して、「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際指導者会議の場は、大変意義が深い」と挨拶している。

 鈴木によると、協会が政治家と付き合うメリットは、

「内部統制の意味合いが強いと思います。信者の中には霊感商法や過度の献金などで教団に不信感を抱いている人がいる。そこで名のある政治家がメッセージを寄せれば、教団への信頼を担保することができるのです」

 統一教会の正体を知りながら協力関係を築いたベテラン議員もいる。安倍元総理の家庭教師も務めた元警察官僚、平沢勝栄前復興相(76)だ。新潮によれば、教団と濃密な関係にあったことをうかがわせる過去があるという。

 政界と教団の癒着については政治アナリストの伊藤惇夫がバッサリと斬る。

「統一教会の場合、一番の問題は自団体の利益を守るために政治をねじ曲げようとしたことです。霊感商法であれだけ社会的な批判を受けたのに、名称を変更して未だに生き延びている。宗教が政治に浸透してしまったことにより、問題を多く抱える教団に手ぬるい対応してしまったのではないでしょうか」

「当選」という甘い果実を得るために、多くの国会議員が統一教会という橋を渡った。その実をならせるのがカルト宗教だと知りながら。

 メディア、特に週刊誌の弱さは、事件が起きた時は大騒ぎするが、その熱が冷めると、事件の本質がなんら解決されていないのに、襤褸のごく捨て去り、顧みないことである。

 悪質な霊感商法や芸能人たちが“隠れ入信”していたようなニュースは毎号トップで報じたが、教会と政治家、特に自民党議員たちとの深い関りには、これまであまり触れてこなかった。

 それが統一教会の政治家への浸食を深め、今に至っているのである。

 中でも、岸から安倍父子へと受け継がれたであろう統一教会人脈は、長い時間をかけて深く静かに永田町を汚染していった。

 安倍元首相が率いた派閥の半数は統一教会と何らかの関係があるといわれるそうだ。教団側も必死であろう。もし、我々を裏切るようなことをすれば、お前の議員生命はないと思えと、脅されているのかもしれない。

 なぜなら、安倍暗殺事件で統一教会の名前が出て以来、自民党の政治家たちは、慌てふためいているように見えるからだ。

 ここまで来たら、すべての膿を出さなくてはいけない。たとえそれで自民党が潰れることになっても。(文中敬称略)

【巻末付録】

 今週は現代だけ。

「かとうれいこ 蘇る奇跡のカラダ」袋とじ「石原希望 夏なのに桜色!」「松井咲子 ピアノ・レッスン」

「小田飛鳥 ウルトラ乳の誘惑」袋とじ「池田夏希 流麗可憐な全裸美人」

 かとうれいこは今50を超えたのか。最後のページに載っているのは彼女の近影だろうか。ボリュームが出て、色っぽくなったな。後の若い娘の中で、かとうれいこを超えるのは誰かな。
 
 
※「週刊誌スクープ大賞」過去の記事

 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2022/08/02 19:00
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