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『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』レビュー

『オオカミちゃんくん』2人の“オオカミ”とオレンジ色の青春。番組史上最高に優しい最終話!

『オオカミちゃんくん』2人のオオカミとオレンジ色の青春。番組史上最高に優しい最終話!の画像1
雨模様の最終告白。(イラスト/ミッケ・・佳(か))

 Z世代の恋模様をウォッチする、ABEMA『オオカミ』シリーズの最新作、『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』も、いよいよ最終回!

 誰がオオカミで、誰がオオカミじゃなかったのか。どのカップルが恋を実らせ、どのカップルが涙の決別を迎えたのか。じっくり振り返ります!

 

前回までのあらすじ

「復活発表」で、ひびき復活ならず。7人+2人のオオカミの恋は、どう決着する?

 

 

<第12話>「オオカミだったとか関係ないよ大好き」

 降りしきる雨の中に現れた、着ぐるみのオオカミと赤い風船。ついに迎えた最終回。運命の最終告白の時。

 男女に必ずオオカミが潜む今回、まずは女子から男子へ告白する。オオカミではなければその後男子も気持ちを伝え、お互いに赤い風船を受け渡す。そしてオオカミならば告白を受けたあと、赤い風船を手放さなければならない。

【告白1】ももは・るい

 オオカミの着ぐるみを被ったるいの前へ、ももはがやって来た。

 ももはとるい。ラブラブで、キュートで、ずっとお互いを想い合ってきた2人。どうかこのカップルはオオカミじゃありませんように。これはきっと、全視聴者の願いだった……。

 ももるいは、2人は第一印象からお互い惹かれ合い、「中間告白」で両想いに。順調に進むかと思いきや、るいが自分から動いてくれないことにももははモヤモヤ。でも、そこからるいはサプライズの王子様に変身し、積極的に行動。終盤は、2人が揃えばメルヘンな世界が発生する、今シーズンのオアシス的存在でもあった。何の疑いようもない幸せ感。今まで一途に、地道に育んできた愛。オオカミなわけがない。あとは風船を渡して、返すだけ。

 

ももは「るいはいつも、私がこれやろうって言ったら、全部優しくいいよって一緒にやってくれて。不安な気持ちと一緒にどんどんるいのことが好きになっていって……。私は今、るいのことが大好きです。オオカミくんじゃないって信じてます」

 手を伸ばすももは。るいがももはへ風船を渡した!

 次はももはの番。オオカミの頭を外して、はにかむように笑うるい。

 

るい「信じてくれてありがとう。俺はオオカミくんじゃないです。はじめにイヤリングを渡したときからずっと気になっていて、途中いろいろあったけど、ももはとの時間をしっかり過ごしてどんどん好きっていう気持ちが高まってきました。好きです。オオカミちゃんじゃないって信じてます」

 手を伸ばするい。笑顔のももは。風船を持つももはが近づいて、一緒に傘の入る。

 

ももは「るいとだったらね、この雨も楽しいと思える。本当に最高の夏だったと思う」

 傘をたたんだももは手を大きく広げ、るいと長いハグ。

 oh! ハッピーエンド‼ そこで、ももはが言った。

 

ももは「いいよって言うまでさぁ、目つぶってて」

 2人のお決まりのやりとり。いつもなら目を開けると、幸せなサプライズが待っている。目をつぶったるい。涙のももは。飛んでいった、赤い風船……。
 
 オオカミちゃんは、ももはだった。

……嘘だ。嘘だと言ってくれ‼ 切ない。悲しい。胸が痛い。この2人は、本当にカップルになってほしかった。その愛が、あまりにも美しすぎたから。大好きなももは・るいカップル。何度視聴者は、この2人に癒されてきたことか。あの甘くて優しい時間に戻ってほしい。画面に2人が映るたび、「かわいい」という言葉を何度も言いたくなる。

 るいが静かに目を開けると、そこにもう、ももはの姿はなかった。ももはの置き手紙を読むるい。

 

「るいへ。本当はこんな手紙書きたくないけど、自分の気持ちに嘘をついて伝えます。るいと過ごす時間には終わりが来ることがわかっていたから、普段から『もっともっと一緒にいたい』ってしつこく言っちゃてごめんね。ずっとそばに居てくれてありがとう。お守りずっと大事にするからね。るいとの時間は私にとって忘れられない初恋でした。ありがとう。ももは」

 

 この結末までの、ももはの動きを振り返る。前回ラスト、スタジオをザワつかせたももはの「月LINE」。ももはが誘っていたのはるいだった。遊園地での太陽LINEデート後、港を見下ろせる屋上のような場所に移動し、そのまま「月LINE」デートが始まった。

 

ももは「伝えたいことがあるんだ」

るい「泣きそうじゃない?」

ももは「最後はハッピーエンドで終わるつもりだし、もう泣きません」

 2人は並んで海を眺めていた。船の汽笛が鳴る。

 

ももは「……じゃあ1回、目つぶってて。5秒数えて」

るい「5・4・3・2・1・0!」

 るいの後ろから、ギュッと抱きつくももは。笑顔になる2人。

 

るい「どうした? かわいい」

ももは「ちょっとやってみたかっただけ」

 るいが振り向いても、その表情は隠れて見えない。

 

ももは「あっち見てて! ちょっとこのままでいる」

 ももははこのとき、顔を見られたくなかったのだ。見たらきっと、るいは気づいてしまう。ぽろぽろと溢れだす涙。

 

ももは「……なんか、伝えたかったことは、最後も風船受け取って、一緒に歩いていきたいよっていうこと」

るい「うん」

 オオカミは、恋をすることができないルールだ。たとえ両想いになろうと離れ離れになる運命は変えられない。でも叶えられない嘘だったとしても、今だけは、伝えずにはいられなかった本音。振り向いたるいに、ももは涙を隠す。

 

るい「なんで泣いてるの?」

ももは「さっき目が痛かったからさぁ、泣いてないよ」

るい「大丈夫?」

お互いに想い合っている愛が、キラキラと伝わってくる。

 

ももは「るいと一緒にいる時間が1番楽しい」

るい「一緒」

 2人の別れを告げるように、もう1度船の汽笛が鳴る。

 

るい「こんなとこ、一生来ない気がする」

ももは「一生⁉ また来ようよ、一緒に」

 ももはの優しい嘘。でもこれは真実。もしもももはがオオカミじゃなければあった、もう1つの未来。

 本物のプリンセスのように可愛らしいももは。実はその裏で、オオカミという苦悩を抱えていたなんて……。にのんから、るいとの関係について「心配すること別にないでしょう?」と聞かれたももはが何も答えなかったのは、こういうことだったのか。

 バレリーナのももはと、K-1ファイターのるいは、1つのことに打ち込んむ者同士、通じるものがあったのかもしれない。穏やかでピュアな恋。いつからか2人の間では、「目をつぶってて」と言ってサプライズを起こすのが定番になっていた。るいからは手作りのお守りや花束、ももはからはるいの刺繍入りタオルや服をプレゼント。るいの試合後には、「早く治りますように」とももはがおまじないをかけたこともあった。最初から結末が決まっていた恋だとしても、思い出たちはキュンと温かく照らしてくれる。るいと2人で見つけた四つ葉のクローバー。

 でも、ももはが「目をつぶってて」のお願いをしていたのは、るいと別れる、最後のこの瞬間の予行練習だったのかもしれない。涙を見せず、楽しい思い出だけ残したまま去れるように。そう考えながら、過去のももるいデートを振り返ると、よけいに切ない。切なすぎる。

 

るい「お互いオオカミじゃありませんように」

ももは「メンバー全員が幸せになりますように」

 実はこのとき、ももははこんな願い事もしていた……。

 

『るいが私の正体を知っても、この思い出を楽しかった思い出として残してもらえますように』

 眩しすぎる。尊い!

 最終告白後のももはの言葉に、また涙。

 

ももは「るいの前では、最後まで笑顔でいようって決めてました。こんな好きになると思ってなかったし、るいは私にとって誰よりも強くて優しくて、1番大事な人でした」

 ももははオオカミだったけど、本気でるいに恋をしていた。この夏の、2人の恋は永遠。

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