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菅前首相がジワリと存在感を増す… 那覇市長選での自公候補勝利に大きく貢献

菅氏が使い分けるアメとムチ 本気で保守一本化に動く

 表の「オール沖縄」那覇市長、城間氏に代わり、裏方で安倍・菅の両政権との窓口となった知念氏に対し、菅氏は国が沖縄県を通さず市町村に直接交付できる「沖縄振興特定事業推進費」を効果的に使ったと言われる。今回の市長戦で勝利した知念氏もこの推進費を効果的に使う方針を示しており、今後那覇市政には推進費が潤沢に注がれる見込みだ。諸刃の剣で、今後は国への依存度も一層高まる可能性がある。

 それでも、約32万人の県都、那覇市の舵取りを任される新市長として、名護市辺野古の新基地建設反対の「オール沖縄」と心中して、推進費を減額されるよりは国と良好な関係を築いておくのは極めて現実的な選択なのかもしれない。

 また、菅氏は今回の那覇市長選での絶対勝利のために、保守一本化にも本気で動いた。保守色が強い「参政党」が一時、候補者擁立に動くとすかさず菅氏も動き、参政党と政策協定を結び、候補者擁立を見送るように働きかけた。

 7月の参議院選挙で、「参政党」が候補者を立て、2万2585票を取り、保守票を分散させた影響で自民党の公認候補だった新人の古謝玄太(こじゃげんた、39歳)氏=公明党推薦=が「オール沖縄」が推す現職、伊波洋一(いはよういち、70歳)氏=無所属=に僅か2,888票差で敗れた経緯があったからだ。

 また、9月の知事選で出馬した元衆議院議員、下地幹郎氏の知念候補への支持もしっかり取り付けた。菅氏と下地氏は1996年10月の当選同期。菅氏は安倍政権の官房長官時代、在日米軍基地などの問題が生じた時は事あるごとに下地氏を頼るなど、長年の絆で結ばれた二人の盟友関係は今も続く。

 9月27日の安倍晋三元首相の国葬で友人代表として弔辞を読んだのがきっかけで再び、菅前首相に注目が集まっている。そして今回、那覇市長選で政権与党に逆転勝利をもたらした采配ぶりも高く評価されている。

 旧統一教会問題などへの対処で岸田政権の足元が揺らぐのと比例する形で菅氏の株が上がっている。とはいえ、自前の派閥、グループを持たない菅氏が再び、首相に返り咲く可能性はほとんどゼロに等しいと言ってよいだろう。

 今後は同じ神奈川県選出で後見人を自認する河野太郎氏、小泉進次郎氏らが更なる上のポストを目指す時に一肌脱ぐのだろう。

 沖縄においては参議院選挙、知事選で敗れはしたものの、今年1月の名護市長選から今回の那覇市長選まで市長選7連勝を果たした。菅氏は「オール沖縄」崩壊物語の最終章のページを確実に開いた。

 

 

会社員兼フリーランス・ジャーナリスト。政治、経済、社会ネタを気の向くままに執筆

みつけたろう

最終更新:2022/11/07 09:00
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