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ジョブチューンはなぜ失敗したのか? 演出とリアルの狭間で揺れるテレビ

文=与良天悟(よら・てんご)

ジョブチューンはなぜ失敗したのか? 演出とリアルの狭間で揺れるテレビの画像1
TBS『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』公式サイトより

 本日、TBS系『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』が放送となる。同番組は昨年11月26日の放送回で、“またもや”大炎上し、話題となった。一体なぜ、こうも炎上するのだろうか?

 当時火元となったのは、一流料理人たちが庶民的な人気商品を試食しジャッジする同番組の人気企画で、今回はファミリーレストランロイヤルホストが、従業員イチ押しの10品を引っ提げて挑んだ。

 そこで火の元となってしまったのが第4位で登場したクラシックなパンケーキだ。ロイヤルホストで40年以上も愛されるロングセラーメニューであったが、残念ながら審査員の7人中6人が“不合格”の札をあげた。

 さらに「家でも焼けるんじゃないか」「すごくケミカルな香り」「古い」などの辛辣なコメントが並び、もちろん企業側はショックを隠せない。これらの発言がトリガーとなり、その味を愛するファンから商品擁護の声が一斉に上がり、それに便乗する人が続出したというわけだ。

 たしかに身近な老舗ファミレスであることから、もはやその商品が生活や人生の一部になっていたり、強い思い入れがある人もいたりするだろう。国産野菜にこだわっていたり、ファミレスの中でもかなり手の込んだ料理が多く、上質なサービスにも定評があるロイヤルホストの並々ならぬ企業努力を、消費者である我々は普段から店舗で感じているため、一言いいたくなるのも頷ける。

 ただ、その矛先は番組だけでなく、辛辣コメントを出したシェフやそのシェフの店へダイレクトに苦情が届き、まるで吊るし上げるかのように攻撃的な意見がネット上を駆け巡った。

 当該シェフはSNS上で騒動の謝罪と釈明に追われ、一方で、批判を誇張するように感じる演出があったと胸の内を明かしていた。

「『ジョブチューン』は視聴率が決して悪くなくなんなら話題にもなる番組なんですが、ゴールデンタイムとしては数字的に安泰な番組じゃないんです。なのでどこかでああいうヒリヒリしたことをやって、話題を取ろうとなってしまう。そもそもは以前、テレビ朝日でやっていた『お願いランキング』の“美食アカデミー”という企画で、川越達也シェフなどが出てきてこういう辛辣なこという企画の焼き直しです。あの頃はここまでSNSが栄えておらず、しかも深夜番組だったのに、それでもまあまあ炎上していましたからね。視聴率が苦しい中での苦肉の策だとは思いますが、同じようなことをゴールデンでやったら、こうなるよねって感じですかね」(バラエティ番組プロデューサー)

 収拾がつかないまま2週間がたった昨年末12月10日には、違う企業を招いた同企画がシレっと放送され、そもそも年始に放送した回でも“おにぎり試食拒否”で、同番組は前代未聞の大炎上を経験しているため、企画の趣旨に対する批判も噴出、何度目かの炎上となっていた。

「まあ番組としては、逆に炎上を狙いにいってる節も見られます。バラエティだし、割り切ってやってるんじゃないでしょうか。そもそも視聴者が肩を持ちやすいもの(日常的に利用するチェーン店など)に、ミシュラン星のレストラン(権威)がご意見するという構図なので、褒められたら深くうなずきますし、けなされた腹がたっちゃう。なんなら、ターゲットの客層やコンセプトも異なりますし、美味しいと感じるのは千差万別ですから、公平なジャッジは難しいと誰だってわかるでしょう。芸能人だと炎上しても知名度が上がるとポジティブに考える人もいますけど、一流であってもシェフは一般人ですから、リスクを感じて出演を見送る人も出てきそうですよね」(同)

 企業もストーリーを含めて商品を全国区にプレゼンテーションできる場であり、自信を持ってジャッジされに挑んでいるわけで、例え”不合格”をもらってもそれはそれで話題にはなり、視聴者の購買意欲を掻き立てる要素になると出演を決めているだろう。

「TBSはドキュメンタリー要素の強いバラエティ『クレイジージャーニー』でやらせが発覚し、2019年に1度放送を終了しました。作られた“クレイジー”なんてダサくて、視聴者側も冷めたし、制作陣のモラルが問われていました。それでも、今年10月からレギュラー放送で復活しましたね。やっぱり人気の番組、特にバラエティでは抑揚をつけた編集をするだけで、それが多少意図的であっても仕方がないという節はある。視聴者には少し過激でも“ショー”として楽しめるかどうかの余裕と、制作側のモラルやセンスと距離感のバランスにもっと気をつける必要がでてくるでしょうね。角が立たない企画だけだとテレビがつまらないと視聴者が離れるし、極端なほうがわかりやすいですから、少し攻めてみると大荒れ。『ジョブチューン』も窮地でしょう。中には野次馬感覚で意見する人も多いから、テレビ側が炎上のたびに反応せずにスルーしたりするのは、間違っていないかもしれませんけどね」(芸能リポーター)

 残念ながら、「地獄に落ちるわよ!」なんて毒舌キメ台詞が一世を風靡する時代は、もう終わったとしかいいようがない。

 

 

与良天悟(よら・てんご)

与良天悟(よら・てんご)

1984年、千葉県出身のウェブメディア編集者。某カルチャー系メディアで音楽や演劇を中心にインタビューなどを担当するほか、フリーで地元千葉県の企業の記事なども請け負っている。

最終更新:2023/01/01 13:00

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