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宝塚の壮絶イジメの“文春砲”第3弾、他スクープ14本

連続強盗事件「ルフィ」一味のお粗末な“仲間割れ”

 今朝(2月7日)のワイドショーでは、連続強盗事件で国際手配されている犯人グループのうち、2人がフィリピンから日本へ送還されるのをライブ中継している。

 主犯格の2人も、フィリピンで訴えられているから、少しあとになるようだが、日本に移送されるのは間違いないようだ。

 もともとはオレオレ詐欺といわれる特殊詐欺グループだったが、その時に手に入れた情報をもとに、SNSで見ず知らずの人間たちを集め、フィリピンの収容所から指示して強盗から殺人まで指揮したなどの容疑だが、私は、不謹慎だが、このニュースを聞いたとき、頭のいい犯罪集団が現れたものだと思った。

 日本のあらゆるところに「監視カメラ」が設置され、犯罪だけではなくわれわれの日常も監視されている。

 よほどの“ツキ”がないと、監視カメラをかいくぐって大掛かりな犯罪を起こすことは、国内では難しくなっていると思う。

 しかし、主犯は犯行に加わらず、犯罪集団はお互いがお互いを知らない寄せ集め。もし、そいつらがドジを踏んで捕まっても、主犯たちは安全だったはずだった。

 だが、主犯の親分格の人間と知り合いの人間が、文春にタレこんで、一連の強盗殺人の裏に「ルフィ」と名乗る黒幕がいることが明らかになった。

 まあ、天網恢恢疎にして漏らさずではあるが、その悪知恵恐るべしである。

 私はこうしたSNSにも、最新のITにも詳しくはないが、そのうち、ハッカーではなく、「恨んでいる人間を殺します」というITを駆使した犯罪集団が現れて、自分が殺したいほど憎んでいる人間を殺してくれるということになるのではないか。

 池波正太郎描くところの「仕掛人・藤枝梅安」の未来版である。

 私はそれを肯定しているのではないが、そんなことまで想像させてしまう今回の事件ではある。

 文春によれば、黒幕は4人。今村磨人(38)、渡邉優樹(38)、藤田聖也(38)、小島智信(45)。

 今回の犯罪も、彼らが手掛けていた特殊詐欺の方法と同じで、相手から現金などを騙し取る「受け子」、ATMなどからカネを引き出す「出し子」と役割が決まっていた。

 特殊詐欺の実入りが少なくなったため、「叩き」の方が儲かると方向転換したというのである。

 それ以外にもコカイン売買などにも手を染め、月に1億円が目標だったが、それ以上稼いでいたのではないかといわれているようだ。

 彼らがいたのはフィリピンのマニラの首都圏にある「ビクタン収容所」だったが、カネさえあれば“天国”のようなところらしい。

「職員はボーイみたいなもの。金を渡すと、買い出しに行ってくれるし、金額によってはエアコン完備の個室にも入れる。収容されている女とセックスもできるし、韓国人が仕切るカジノもあった。Wi-Fiの設備もあるし、足のつかないプリペイド式のスマホも所持できるよ。あの施設では、金次第で“自由な外出”以外なら何でもできた」(この施設で過ごしたことのある日本人男性)

 だが、こうした犯罪が失敗するのは「仲間割れ」からである。Xという人物が文春にタレこまなければ、渡邉たちも、フィリピンを離れてビザのいらない国へ逃げられたかもしれなかった。

 渡邉は、捕まるくらいなら死ぬといっていたそうだが、フィリピン警察も面子があるから、やすやすと死なすわけにはいくまい。

「完全犯罪」のように見えた今回の強盗・殺人事件だったが、しょせん寄せ集めの仲間割れで、幕切れとなりそうである。(文中一部敬称略)
 
 


 
 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2023/02/07 20:00
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