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「GYAO!」サービス終了の衝撃…あの大物芸人の貴重なオリジナル番組も消滅

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木梨憲武(Getty Imagesより)

 今年の3月31日をもって無料動画配信サービス「GYAO!」がサービスを終了することが発表された。終了の理由としては動画領域の資金源を縦型動画サービスの「LINE VOOM」に集中する為とされている。同理由により「LINE LIVE」なども3月末に終了すると発表されている。

 「GYAO!」といえば、ミュージシャンのプロモーションビデオや過去に放送されていたドラマやバラエティなどのテレビ番組などを配信するほか、様々なオリジナルコンテンツも手掛けており、中でも既存のラジオ番組の映像版スピンオフ企画も独占配信していた。

 しかし、今回のサービス終了を受けて、それらのオリジナルコンテンツも終了となってしまう。そんな終了するコンテンツの中には「とんねるず」の木梨憲武さんが出演している「木梨の貝。」も入っている。この番組はTBSラジオで放送されているラジオ番組「木梨の会」の映像版スピンオフで、ラジオで絡んだゲストや、元々仲の良い方達を交えて、素に近い憲武さんが見られるとても貴重な番組だった。

 かなり大御所のタレントから、若手の芸人やタレント、さらにはあまり見る機会の少ない芸人なども見られたので、かなり楽しみにしている人も多かったのではないだろうか。そんなコアな人気を博していた番組なのだが、強制的に終了することになってしまった。

 通常の番組の場合、出演しているタレントの人気や、所属事務所のパワー、番組自体にテコ入れし全く違う番組にしたりすることで継続可能な場合もある。ましてや、この「木梨の貝。」のような大がかりなセットを使ったり、お金のかかる大型企画をするような番組ではないタレントが、ただその現状を楽しむようなお金のかからない番組ならば尚更存続することは簡単だ。しかし、今回のように放送媒体そのものが無くなってしまうのだから、誰も抗うことができない。

 もちろん憲武さんくらいの知名度や、交友関係、スタッフとの絆があれば、配信媒体を変えて同じスタッフを雇い、ほとんどニュアンスを変えずに「木梨の貝。」を復活させることは容易かもしれない。コストのかからない企画を生みだす力と、タレントのやる気があれば永遠に番組を続けられる可能性もある。それこそがテレビ局ではなく動画配信サイトで放送されている番組の強みであり、今の時代に合った方式である。

 しかし、それ故に怖い部分があるのは間違いない。定期的に第三者に精査され、打ち切りか存続かを迫られるテレビ番組とは違い、タレントと一蓮托生である“身内のようなスタッフ”と仲良しこよしでやっている番組には危機感が無く、番組を客観視することは非常に困難だ。

 さらに、サブスクが当たり前の現代において、視聴者サイドは自分が見たい番組を取捨選択している。つまり、番組の視聴者は自らその番組を選択しており、番組に対して意見や感想を言う視聴者は間違いなく番組やタレントのファンということだ。ファンのコメントはよっぽどのことがない限り寛容で、好意的である。冷静に見るとつまらない企画を番組サイドは面白いと思っており、それをファンが褒め続けるという、地獄のように甘ったるい環境になる可能性が無きにしも非ずなのだ。

 一部の寛容すぎるファンと盲目的なスタッフがいた場合、番組自体は終わらないかもしれないがタレントとしては終了する危険性がある。これが、現代における番組が終了するシステムなのかもしれない。

 芸能界に限らず一般社会においても、自分が置かれている状況を客観的に見る力、周りの空気を感じる力は持っていて損はない。もちろん自分に対して必要以上に厳しくする必要は無いが、必要以上にぬるま湯に浸からなくてもいい。ぬるま湯はいずれ水になり、入っている者の身体を蝕んでしまう。ときには自分で熱いお湯を足すことをお忘れなく。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/02/09 19:00
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