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岸田首相の長男・翔太郎氏の「公私混同忘年会」騒動と「マイナンバーカード」への不安

岸田翔太郎の「忘年会」騒動と日本の“ダダ洩れ”セキュリティー

 今週の第1位は、先週の文春に続いて、官邸で忘年会をやっていたのは息子や親せきだけではなく、岸田首相夫妻も参加していたことを明らかにしたフライデーに捧げる。

 自分の息子の身勝手な振る舞いを御せない人間が、この国を統べることなどできないこというまでもない。

 岸田文雄首相の長男で政務秘書官の翔太郎が、昨年末、官邸に親戚を呼び込み宴会をしていたことを先週の文春(6月1日号)が写真つきで報じた。

 現在、岸田首相は公邸で長男と2人で暮らしているのだが、昨年12月30日、親戚たちをその公邸に招いて宴会を開き、しかも、首相の立ち位置であるセンターで笑みを浮かべているのが翔太郎本人だというのである。

 首相公邸は宴会場ではない。

「二一年、野党議員の質問に対して政府が公表した答弁によれば、公邸は『内閣総理大臣の職務の能率的な遂行を確保し』『国の事務及び事業の円滑な運営に資することを目的とする施設』とされています。もちろん首相の私的な居住スペースもありますが、迎賓や執務機能も備え、オンラインでの首脳会談が行われることも。万全の警備体制が敷かれ、年間の維持費は約一億六千万円とされています」(官邸担当記者)

 親戚一同が階段に並んで「閣僚写真」のような写真もあるが、ここは西階段と呼ばれる場所だという。

「昨年八月の内閣改造の際には、本来撮影が行われる官邸の会談が工事中だったため、代わりにこの西階段で新閣僚の撮影が行われました」(ある官邸関係者)

 また「会見ごっこ」をしていたのは「大ホール」と見られ、昨年4月にはニュージーランドのアーダーン首相(当時)、5月にはフィンランドのマリン首相を官邸を迎えて晩さん会が開かれた場所だというのだ。

 だが、当初、岸田首相は事の重大性さえ認識せず、5月26日の参院予算委員会で野党から追及されると、呆れたことにその「忘年会」に出席し、あいさつしたことまで認めたのである。翔太郎らによる公邸内での記念撮影は「不適切」だと述べたが、更迭については否定した。

 しかし、そのあとに行われた世論調査で支持率が落ちたことにあわてて、5月29日に唐突に祥太郎を更迭すると発表した。

 そして、6月2日発売のフライデーが、この宴会で、岸田首相夫妻が親戚一同たちと撮った記念写真を公開したのである。

 フライデーによるとこうだ。

「長男で首相秘書官の翔太郎氏(32)ら首相の親族が、公邸内の階段で寝そべるなど大ハシャギの宴会を繰り広げたことが『週刊文春』で報じられるや、世間は大ブーイング。

 だが、首相は翔太郎氏に『厳重に注意した』と述べるにとどめた。野党はおろか、国内外のメディアから『身内に甘い』と叩かれても、首相は動かない。それどころか、5月26日の参院予算委員会で『私も私的な居住スペースにおける食事の場に顔出しをし、あいさつもした』と、息子をかばう素振りさえ見せた。

 その『違和感』の正体が、本誌が入手した集合写真である。

『あいさつ』どころか、裕子夫人(58)や翔太郎氏らとともに、首相本人もご満悦の表情で『記念写真』に収まっていたのである。

『この日は首相の実弟で実業家の武雄氏(62)ら、岸田家4人きょうだいとその配偶者や子供が集合しての忘年会でした。外部者はシャットアウト、まさに「身内」の会だったのでしょう』(首相の知人)」

 公私混同、首相の対応の遅さ、どこから情報が漏洩したのかなど、たかが身内の妄念会などと軽く論じられる問題ではない。

 一部報道では、親戚の誰かがSNSに自慢げにアップしたのではないかという見方もある。

 だが、今年1月には新潮が、岸田首相は1月の初旬から中旬にかけて、欧米5カ国を訪問した際、同行していた翔太郎の振る舞いが物見遊山的だったと報じた。

「現地の大使館には翔太郎さんから、パリ市内の観光地を巡りたいとの要請があったそうです。大使館は車を回し、彼はお望みの名所を訪れている。それだけでなく、夕食はビストロを、とのことで、現地のアテンドで気心の知れたスタッフと舌鼓を打ったそうです」

 イギリスでも、また翔太郎から“ご要望”があったという。

「ロンドン市内を“見学”したいとのことで、やはり大使館が回した車で、ビッグベンやバッキンガム宮殿を訪れ、ハロッズにも寄っています」

「老舗超高級百貨店でお買い物を楽しんだわけだが、やはりその日の岸田総理は多忙で、シンクタンク所長の表敬を受け、スナク首相と会談、ロンドン塔を訪れた後は会見にも臨んでいる。親の心子知らずとはこのことか」と新潮は厳しく批判していた。

 この時も情報を新潮にタレこんだのは誰だという犯人探しが始まったが、その後、岸田外交に不満を持っている外務省筋から漏れたのではないかといわれている。

 今回は誰か? 身内にも岸田首相のやり方を快く思っていない人間がいるのだろうか。

 これほど情報がダダ洩れになってしまうのでは、日本を訪れる各国の首脳たちも安心して岸田首相とは話ができないと思ってしまうのではないか。

 今回の件を見ただけで、この国のセキュリティーの甘さがはっきりわかる。この国に自分たちの個人情報を預けたらどんなことになるか。だから私は、マイナンバーカードに登録などしないのだ。(文中敬称略)

 
 

 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2023/06/13 12:57
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