日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『グレイトギフト』“黒幕”候補

『グレイトギフト』“黒幕”候補はあのZ世代キャラ……そのフラグとは

『グレイトギフト』黒幕候補はあのZ世代キャラ……そのフラグとはの画像1
テレビ朝日『グレイトギフト』公式サイトより

 2月22日に放送された木曜ドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)の第6話は、『ギフト』を巡る新たなフェーズに入った。主人公の病理医・藤巻(反町隆史)は家族を守るため悪事に加担していたが、ここにきて覚醒。殺人球菌による犯行を収束させるため“一大決心”をかためた。

 正義と欲望が共存する大病院・明鏡医科大学付属病院で、出世欲もなく仕事に没頭する藤巻は、遺体解剖時に首の黒ずみから謎の殺人球菌『ギフト』を発見する。心不全を引き起こし間もなく忽然と姿を消す、という『ギフト』の魔力は病院にあっという間に広まり、権力・金・女を手にしたい人間に悪用されていく。大病院界隈で立て続けに起きる心不全に、警察も不審な目を向けるなか、『ギフト』を操り病院のトップに君臨する悪人は、藤巻をはじめとする『ギフト』関係者たちに「チーム・ギフト」の結成を持ちかける。その真意とは……。

 第5話で妻・麻帆(明日海りお)からまさかの離婚を突きつけられた藤巻。藤巻はこれまで、病院長・白鳥(佐々木蔵之介)に麻帆の手術と命の保証を口実に『ギフト』の培養を命じられ、良心の呵責(かしゃく)に苛まれながら白鳥が行ってきた殺人をサポートしてきた。にもかかわらず、事情を知らない麻帆は退院に目途が立ったことを機に藤巻を捨て、あろうことか藤巻の同期であり元カレの郡司(津田健次郎)と不倫を経て正式交際に進もうとする。男としての傷心、そして新たな殺人を未然に防げなかった後悔から“闇堕ちフラグ”も立ちかけた。だがしかし、藤巻を再び奮い立たせたのは、白鳥が示した「チーム・ギフト」を結成してまでも実現したい医療界の改革という壮大な計画だった。

 藤巻が事態収束の希望として頼ったのは警視庁に勤める神林(尾上松也)だが、重い心臓疾患で入院中の娘・琴葉(中島瑠菜)がウィークポイントになった。琴葉の主治医は白鳥のため、生きるも亡くなるも白鳥の采配、そして神林の出方次第ということになる。敏腕刑事として活躍してきた神林にとって、人の命を奪い続ける白鳥は捕まえたいはずだが、娘の命が握られているとなると話は別だ。白鳥を警察から守る壁となり、藤巻を脅す立場に成り下がった。しかし、あれだけの正義論を語っていた神林だけに、娘の手術後に白鳥に手錠をかける大逆転の線は消えていない。

 藤巻の内部告発、警視庁の捜査という手段が使えないのであれば、期待したいのは『ギフト』の生みの親である“黒幕”の加勢だ。クライマックスで“黒幕”は藤巻と白鳥に接触し、『オクトセブン』なる新たな『ギフト』で院内患者を殺害した。白鳥と郡司は『ギフト』の生態やメカニズムを地道に明らかにしているが、“黒幕”は『ギフト』のすべてを解明済みであり進化させているのだろう。視聴者をさらなる恐怖に陥れた“黒幕”だが、八方ふさがりの藤巻と、白鳥の傍若無人の振る舞いを見ていると、“黒幕”でもいいから藤巻の味方になることを願ってしまうのは筆者だけか。

“黒幕”候補は藤巻とともに『ギフト』の研究をしている久留米(波瑠)だ。ただ、院内患者を犠牲にしてまで白鳥を脅すという強硬策に出ることは現状のキャラを見ていると考えにくい。そうなると久留米の個人研究室を整理していた藤巻と久留米の同僚・奈良(小野花梨)が怪しくなる。普段は若者らしい明るい人柄と、仕事よりプライベートに人生を捧げる振る舞いから“黒幕”のイメージから最もかけ離れているが、よくよく考えてみれば藤巻・久留米という頭でっかちの理系人間と同じ空間で働くほどの人物だ。表の顔の裏には、切れ者研究者の一面があっても不思議ではない。

 ややこじつけにはなるが、同作品のメインビジュアルには主要人物が揃い、白鳥をはじめとした多くの人間が手を伸ばして何かを掴む、または持つポーズをとっている。これは『ギフト』という力による支配・獲得を意味すると考えられるが、そんななか藤巻と久留米、そして奈良の3人だけが手を下ろしている。つまり、藤巻と久留米と奈良は同類、つまりは共闘関係を結ぶフラグではないだろうか。第7話では『オクトセブン』の力、『チーム・ギフト』の動向だけでなく、随所に登場するであろう奈良にも注目してみるのもおもしろいはずだ。

■番組情報

木曜ドラマ『グレイトギフト』

テレビ朝日系毎週木曜21時~

出演:反町隆史、波瑠、明日海りお、坂東彌十郎、津田健次郎、倉科カナ、尾上松也、佐々木蔵之介 ほか
脚本:黒岩勉
音楽:得田真裕
主題歌:JUJU『一線』
演出:本橋圭太、星野和成
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:髙野渉(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日

公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/greatgift/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/02/29 12:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed