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コミック発売記念対談

【沖田臥竜×北村有起哉】『ムショぼけ』が変えてくれた自分たちの景色

2021年に朝日放送テレビなどで放送された人気ドラマ『ムショぼけ』。刑務所から出所後間もない元ヤクザと、彼を取り巻く個性的なキャラクターたちが織りなす笑いと感動は、小説『ムショぼけ』(小学館文庫)、『ムショぼけ2』(サイゾー)をともに多くの人々に愛されてきた。さらに、その話題作が漫画化され、この度、単行本としても発売された。タイトルは『ムショぼけ~懲役たちのレクイエム~』(秋田書店)。そこで発売を記念してドラマで主人公・陣内宗介を演じた俳優の北村有起哉と原作者の沖田臥竜が対談。同作の裏話などを語り合った。

見てくれた人たちの熱さが違った『ムショぼけ』

――お二人がお会いになるのは?

北村 ドラマのPR以来ですから、前回はもう2年半前ですね。

沖田 一昨年の初夏ですね。北村さんとの出会いは、自分が監修をさせていただいた映画『ヤクザと家族 The Family』の現場でしたね。オールアップで全体撮影をしたときに、「ちょっと先生、こっちで写ったら」って、僕を招き入れてくれたのが北村さんやったんです。その次に会ったのは、『ムショぼけ』の撮影のために新大阪駅に到着した北村さんを、僕が車で迎えに行きました(笑)

――ドラマ『ムショぼけ』は、今でも各動画配信サイトで視聴することができて、多くの人に親しまれています。

北村 おかげさまで、今でも街で「宗介さん」って呼ばれることもあります。地上波の朝日放送で放送されていたときだけでなく、ありがたいことに「最近、配信で見ました」っていう人もいます。

『ムショぼけ』での北村有起哉さん(C)ABC

沖田 おかげさんで、ずっと評判がいいです。去年の年末からはABEMAやTverでも再配信してくれていました。そういう意味では、ずっと続いているドラマです。

――映画やドラマで100作以上のキャリアを重ねる北村さんの中でも特別な作品ですね。

北村 もちろん主演だったこともあるけれど、やっぱり反響が今までとちょっと違いました。日本中で見てもらったという大勢からの反響もうれしいけど、『ムショぼけ』に関しては、見てくれた人たちの熱さが違う。ハマってくれた人の多さを実感していて、それは本当にうれしいです。
 まず『ムショぼけ』という言葉自体が、一般視聴者はみんなわからなかったですから、「何だろうな」って感じで見始められたと思うんです。で、中身は、刑務所暮らしの長かった元ヤクザの物語なのに、どこか親近感が湧く内容。

――バイオレンスものではなく、ハートフルな人情ものでした。

北村 主人公以外の登場人物も含めて、全てがハマっていましたよね。完璧な配役だったと思います。

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