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“雪かき漫画家”が、自作マンガ『憂恋の花』で映画監督デビュー

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「ネトウヨは財政破綻した夕張を助けに行け。雪かきして来い」

 こんなフレーズを耳にして、ピンと来る人が果たしてどれくらいいるのだろうか?

 2010年の12月5日、マンガ・アニメの規制を画策する東京都青少年健全育成条例改定案を巡る、猪瀬直樹東京都副知事のTwitterでのつぶやきに即座に反応したジャーナリストの昼間たかし氏は、「表現規制ではない。デマゴーグに踊らせられているだけ」と主張する猪瀬副知事に対し、「その旨を取材させてほしい」とオファー。すると、猪瀬副知事から取材に応じる条件として、財政破綻で苦しむ夕張市内での雪かきを提示されたのだった。

 この条件提示に昼間氏と時を同じくして呼応したのが、キャリア20年を数えるマンガ家の浦嶋嶺至氏。浦嶋氏は、11年1月21日に夕張市を訪問し、同市の社会福祉協議会の案内で雪かきを実行。直後から、取材方法について猪瀬副知事との調整を始めた。

 そんな矢先、昼間氏も同年2月24日から開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2011」に併せて、夕張市を訪問して雪かきを行うことを表明。実は昼間氏、06年と09年に映画祭取材した経緯があり、09年に至っては脚本を執筆した映画『おやすみアンモナイト 貧乏人抹殺篇/貧乏人逆襲篇』(監督:増田俊樹)が、同映画祭のフォーラムシアター部門にて招待上映されたという経歴の持ち主なのだ。

 映画祭取材を終えた昼間氏は、浦嶋氏と現地で合流。撮影を担当する増田俊樹監督を伴い、同市の社会福祉協議会を通じで雪かきを敢行。その画像がTwitter上を駆け巡るや否や、周囲が帰京後に猪瀬副知事との対論を実現させようと、あの手この手と準備を進めていた矢先、映画祭閉幕から10日後の3月11日、未曾有の東日本大震災と原発事故の影響で世情は一変。昼間氏の取材対象は青少年健全育成条例を巡る諸問題から外れていく結果となり、歩調を合せるかのように、浦嶋氏も不退転の決意をベールに包むかの如く沈黙を守り通した。

 そんな中、昼間氏は漫画家の山本夜羽音氏らが主宰する「おたぱっくQB準備会」のボランティア活動に同行。被災した福島県南相馬市へと向かい、精力的に現地取材を行った。一方、沈黙を守り続けた浦嶋氏は、人知れず過去に発表した自作の短編マンガを脚本化。その後、自ら制作プロダクションを立ち上げ、映画化に奔走。プロ・アマ問わず幅広く人材を公募し、7月初旬のクランクインを経て、8月下旬にクランクアップを向かえるに至った。

urashima002.jpg近著『アラサーちゃん』が話題の、峰なゆかの出演にびっくり! マンガを描かずに製作した価値はあるハズ!

 そして11月23日、浦嶋嶺至初監督作品『憂恋の花』は高円寺の「素人の乱」12号店にて零号試写を実施。猪瀬副知事との対論実現に向け様々なバックアップを続けてきたロフトプロジェクト代表の平野悠氏を筆頭に、様々な作品賞賛コメントが浦嶋氏へと届けられるようになった。その後、身内から後押しされる形で浦嶋氏は猪瀬副知事を表敬訪問。作家とマンガ家という垣根を越えた一表現者としての対話が実現し、作品を鑑賞した猪瀬副知事からも以下のコメントが寄せられた。

「『憂恋の花』を観ました。僕の知っている風景がいくつかありました。知らないところも知っているような懐かしさのある、しっとりとした風景の映像ですね」

 浦嶋氏は、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012」の締め切り直前に同作をエントリー。同映画祭東京事務局長・外川康弘氏の推薦により、初監督作ながら国際映画祭出品という栄誉を勝ち取った。

 浦嶋氏に今後の展望を取材したところ、「2月末の『ゆうばりファンタ』上映では、様々な企画を仲間達と練っています。あっと驚く出演者が舞台に登壇したり、雪かき騒動でご縁の繋がった猪瀬さんや鈴木直道夕張市長にも、もちろん協力を求めていきます。また、雪かきからずっとお世話になっているロフトの平野オーナーが勝負を賭けるUSTREAMコンテンツ「ロフト報道チャンネル」での映画祭生中継も視野に入れて、マンガを描く暇もないほど日夜動き回っております」

 失意の雪かきマンガ家から、晴れて映画監督デビューを飾った浦嶋嶺至のこの1年。

 災い転じて福となすとばかりの八面六臂の活動は、不惑を過ぎて塞ぎ込みがちな40代の中年男性諸氏にとって、混迷の時代を生き抜くカンフル剤となるのであろうか?

 尚、1月21日に1日のみの限定有料試写会を、新宿ネイキッドロフトにて開催。詳細は以下参照。

●「2012 新春特別試写会イベント 浦嶋嶺至 初監督作品『憂恋の花』」
1月21日(土) OPEN 12:00 / START 12:30
前売¥1,500 / 当日¥1,800(共に飲食代別)

猪瀬直樹東京都副知事やロフト席亭・平野 悠が絶賛する、”雪かき漫画家”浦嶋嶺至の初監督作品を1日のみの限定上映! さらに関連作の予告編上映やトークライブも同時開催!

12:30~ 予告編上映 & 新春大放談トークライヴ
14:00~ 『憂恋の花』(監督/浦嶋嶺至) 特別試写会

【出演】
浦嶋嶺至(雪かき漫画家)、増田俊樹(俳優/映画監督)

【ゲスト】
辻岡正人(『老獄/OLD PRISON』監督)、松本准平(『まだ、人間』監督)、
コンタキンテ(『憂恋の花』出演俳優)

【会場】 
ネイキッドロフト 
新宿区百人町1-5-1 百人町ビル1F
※ご予約はネイキッドロフト店頭電話 & web予約にて受付致します !!
電話→ 03-3205-1556(16:30~24:00)
web→ <http://www.loft-prj.co.jp/naked/reservation/>

●『憂恋の花』
<http://justfitweb.com/yuuren/>

ぬきまん。

浦嶋嶺至作品。

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最終更新:2013/09/09 19:34
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