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『非俳優生活100days』刊行記念インタビュー

「めっちゃめちゃしんどい!」“非俳優”黒田勇樹が育児ノイローゼに!?

――ご家族や今までのファンに読まれるのは、恥ずかしくなかったですか?

黒田 多少はね。でも、正直になりたかったんです。今まで取り繕って生きてきたから。

――俳優の時ですか?

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黒田 はい。でも悪い意味じゃなくて、俳優である以上は自分ひとりの生活ではないんです。番組を作ってくれる会社があって、テレビ局があって、所属事務所もあるので。だから後悔はないけど、当時とは違うありのままの姿を見せたかったから。俳優を辞めてひとりの人間に戻る節目だから、絶対にここは通らないといけないと思ってたんです。最初は痛いけど、後々そのほうが楽になるはずだから。

――「はじめに」の中で「心の底から俳優になりたい、俳優で在りたい。そう思える日までは俳優とは名乗らない。そう誓ったあの時~」と書かれています。誓ったのは具体的にはいつだったんですか?

黒田 27歳頃ですね。長い下積みをしてきた方々は「この仕事を真剣にやらないと次はない」という切迫感があるんだけど、僕は小さな頃から当たり前のように仕事があって、こんなモチベーションで続けていいのかなと疑問に思い始めて。それがちょうど事務所との契約更新の時だったので、ここで辞めてほかの仕事をして、それでも「俳優になりたい」と本気で思ったら戻ってこようと決めたんです。それで初めて、尊敬している俳優さんやスタッフさんたちと同じステージに立てるんじゃないかなと。

――タレントとして事務所に残る選択もありましたよね?

黒田 それは意地ですね。この業界に甘えるのはもういやだった。俳優以外は何もしたことがなかったので、普通の生活をしてみたらほかに天職が見つかるかもしれないし、2年くらいは好き勝手やってみようかなと。

――もう2年たちましたよ。

黒田 でも、まだやりたいことがたくさんあるんですよ、全然時間が足りないですね。

――今後の活動の方向性は決まっているんですか?

黒田 具体的にはまだ何も。カバーアルバムでも出そうかな。

――歌ですか!?

黒田 だって誰も想像してないでしょ? 「亜麻色の髪の乙女」とかカバーしようかな。

――もう何度もカバーされてる曲を(笑)。

黒田 だって「黒田勇樹は何をするかわからない」って思われちゃってるから、その予想を裏切り続けるのは大変なんですよ。だから逆に、俳優に戻るくらいしか選択肢がないかも。「あれだけ言ってたのに復帰するの?」って(笑)。
(構成=田島太陽/写真=市村岬) 

●くろだ・ゆうき
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として活躍。主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校Ⅲ』にてキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、現在はハイパー・メディア・フリーターを名乗り、謎の活動を行っている。近況は公式HP「黒田運送(株)」<http://yuukikuroda.com/>にて。

最終更新:2013/05/16 14:37
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