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中朝国境に架かる“貿易の大動脈”が大事故で使用不能も、新国境橋が「無期限開通延期」のワケ

bridge03橋のたもとで途切れている、新鴨緑江大橋の北朝鮮側

 実際、完成後に撮影された写真を見ると、橋の先にある北朝鮮領には家屋や畑が広がり、ロクに用地買収も進んでいないようだ。中朝貿易に詳しい中国人貿易商によると、「北朝鮮は『橋から先の道路も中国のカネで造ってほしい』と駄々をこねているため、せっかく完成した橋も、その先が途絶えたままの状態になっている」というのだ。

 また、金正恩第一書記の叔父で、党行政部長というナンバー2の地位まで上り詰めていた張成沢氏が13年12月に処刑された影響があるとの見方もある。「橋の完成で、物資や人、投資が北朝鮮にどっと流れ込み、中国の植民地のようになることを北朝鮮は恐れている」(同)というのだ。だが、実質的に北朝鮮の指導者層の生活を支えているのは、中国からの輸入品だ。

 9月初旬に北京であった軍事パレードでも韓国の朴槿惠大統領が優遇され、北朝鮮の使節は冷遇気味の扱いだった。北朝鮮が弾道ミサイル発射に踏み切れば、中国政府は北朝鮮と距離を置くことは間違いない。

 新鴨緑江大橋の開通は、さらに延びそうな気配だ。

最終更新:2016/01/26 18:12
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