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話題沸騰!『吉田豪の“最狂”全女伝説』吉田豪インタビュー「秋元康は、現代の松永兄弟か」

吉田 ああ、そういうことも知らない世代なんですね。当時は歌番組でもコンサートでもプロレス会場でも、紙テープが飛び交うのが日常でした。

──若い女性の観客が投げてるんですよ。

日刊サイゾー担当編集 ファンは女性なんですか?

吉田 時代によってファン層が違ってくるのも面白くて。志生野さんが言うには、初めは出世の遅れた中年サラリーマンが下品なヤジを飛ばしていた世界だったのが、山口百恵のライバルみたいに売り出されたマッハ文朱で男子高校生が来るようになり、それがビューティ・ペアで女子ファンに入れ替わり、ミミ萩原でまたイヤらしいおっさんが戻ってきて(笑)。クラッシュギャルズで若い女子だけの世界になったのが、90年代の団体対抗戦時代には男のプロレスファンが大量に流れてきて、その結果、女子プロに入りたいと思う若い女子もいなくなって世代交代もなくなり、ジャンルとして地盤沈下していったんです。

──以前は、女子プロレスラーに憧れていた元ファンという選手がたくさんいましたよね。

吉田 みんなそうでしたよ。ビューティ・ペアに憧れて入門したのがクラッシュギャルズの世代で、クラッシュギャルズに憧れて入門したのが対抗戦の世代で。ただ、最近ちょっと面白いのは、AKBだけじゃなくて、地下アイドルもプロレスをやる流れが出てきてるんですよ。カタモミ女子というグループのメンバーだった中野たむさんは、いま普通に大仁田厚とタッグを組んだりしてますから。彼女が言ってたのが「地下アイドルだとどんなに頑張っても上が見えなかったのが、プロレスだと見えるんです」ってことで。ほかに元LinQの伊藤(麻希)ちゃんとか筋肉アイドルの才木玲佳さんとかアップアップガールズ(プロレス)とか、いろんな人がプロレスをやる流れができてきて。だから伊藤ちゃんにも『“最狂”全女伝説』を渡したんだけど、今のプロレスを楽しく見てる人や、夢を抱いてその世界に入ろうとしている人が、これを読んだら怖くなるんじゃないかとも思って(笑)。

──たしかに(笑)。

吉田 プロレス好きの松井珠理奈さんも「読みたい」って言ってたけど、これを渡すのはまだ早いのかなあって(笑)。声優の上坂すみれさんもプロレスにハマったときに読んだのが、ボクの『喋る!!道場破り』(白夜書房)で。入門編で読むような本じゃないから、上坂さんにも「まだ早いですよ」って注意しました(笑)。

──ともあれ、『“最狂”全女伝説』が面白いのは間違いないです!

吉田 ボクの本の基本的なテーマは、今までの幻想は崩れるかもしれないけど、読んだらまた別の幻想ができるようにすることなんですよ。これも「どうこう言ってもプロレスってすげー!」に着地できるようにしてるんで、読後感はいいと思いますね。
(取材・文=武富元太郎)

●吉田豪(よしだ・ごう)
1970年、東京生まれ。プロインタビュアー、プロ書評家、コラムニスト。徹底した下調べをもとにしたインタビューを行ない、その取材対象は芸能人、スポーツ選手、文化人、政治家などと多岐にわたる。著書に『吉田豪の喋る!!道場破り』(白夜書房)、『吉田豪の空手★バカ一代』(白夜書房)、『人間コク宝』(コアマガジン)、「聞き出す力」(日本文芸社)など。

最終更新:2017/11/01 11:44
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