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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.556

史上最高の官能スパイコメディが奇跡の続編化!!  忘れられない笑激『クライングフリーセックス』

文=長野辰次

インディーズ映画ならではの奇抜さが爆笑を呼ぶ『クライングフリーセックス』。15分の上映時間の中に娯楽要素がぎっしりと詰まっている。

 断言しよう。こんなにも、くだらない映画はかつてなかったと。でも、あまりのくだらなさに、思わず吹き出してしまう。それが官能アクション映画『クライングフリーセックス』だ。わずか15分の短編映画ながら「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」など国内外のファンタスティック系映画祭の会場を沸かせ、『カメラを止めるな!』(17)大ヒットの発火点となった“インディーズ映画の聖地”新宿ケイズシネマで2018年9月に公開されるや、満席回が続出したという伝説のショートムービーだ。

 15分間の上映中、劇場を爆笑の渦に終始巻き込んでしまった『クライングフリーセックス』は何がすごかったのか? それは設定のくだらなさに尽きる。主人公はすご腕のスナイパーであるナオミ(合アレン)とコブラ(マイケル・ファンコーニ)。秘密組織に潜入していた2人は作戦遂行を直前に控え、セックスに励んでいた。セックスしないと、手が震えて銃が握れないというナオミの特殊体質のせいだった。

 セックスで盛り上がりすぎてしまい、うっかり敵に気づかれてしまうナオミとコブラ。たちまち武装兵に包囲される。だが、“膣痙攣”状態となり、2人の体は離れることができない。絶体絶命の窮地に追い込まれた2人は真っ裸のまま、いや駅弁スタイルのまま、死闘を繰り広げるはめに陥る。

 全裸スパイと化した2人は、ガンアクション、ソードアクション、カーアクションへと次々と挑むことに。バディムービーの古典的名作『手錠のままの脱獄』(58)など、過去には対立する2人が手錠で繋がれたまま逃走する作品はあったが、男女の局部がつながった状態で戦うというバディアクションものは恐らく人類史上初。わずか15分の中に、ナンセンスギャグと本格アクション、そして孤独に戦うスナイパー同士の心の触れ合いが描かれた傑作コメディとしてケイズシネマを訪れた観客の脳裏に焼き付いた。

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