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簡単に酔えるタブーなお酒【1】

吉澤ひとみ&とろサーモンも人生を棒に!? タブー過ぎる酒「ストロング系チューハイ」完全レビュー

文=ゼロ次郎

缶チューハイ誕生時点ですでにストロングだった?

ストロングゼロのCMでおなじみの天海祐希編集長。

 ここまでストロング系がはらむ“危険性”について述べてきたが、続いては支持されていくに至った歴史的、社会的背景について調べていきたい。取材に応じてくれた「酒文化研究所」の山田聡昭氏は、ストロング系を危険視する風潮に真っ向から反論する。

「ストロング系が台頭して“危ない”と言われていることに、私は非常に違和感を覚えています。というのも、1984年に宝酒造が発売した缶チューハイの元祖『タカラcanチューハイ』は、当時すでにアルコール度数が8%ありました。度数が5%を切るような、カクテル系の甘いタイプが広まってきたのは90年代以降で、ストロング系と言いますが、アルコール度数は9%ほど、ワインや日本酒よりも低いのです。また、『現実逃避のための酒』と揶揄されているのも、どういうふうにそれを調べたのかよくわかりませんが、普通は現実逃避のために酒を飲むというより、食事と共に楽しむとか、リラックスするためとか、オンからオフに切り替えるために酒を飲むのが大半だと思います。酒を健康的に楽しむ大原則は適正飲酒で、酒が悪いのではありません」

 缶チューハイの市場は、そもそも最初からストロング寄りだったということになる。では、どうしてここまで騒がれるようになったのだろうか?

「00年頃から、大手メーカーがこぞってチューハイを出すようになります。代表例はキリンの『氷結』ですね。それまでは宝酒造とか合同酒精とか、いわゆる焼酎メーカーが缶チューハイをつくっていましたが、ビールの消費が95年~96年をピークにどんどん下がりはじめて、新たな市場の開発を狙ってビールメーカーがチューハイに参入したわけです。ビールメーカーと焼酎メーカーとでは企業規模、営業マンの数、販売網どれをとってもケタ違い。それまでニッチな立ち位置だった缶チューハイも、大手ビールメーカーが出すとなれば一気に当たり前の存在になったわけです」(同)

 日本人のビール離れというよりも、「とりあえずビール」という文化に変化が生じたことによって、チューハイが表舞台に立ったということだが、このことについては、前出のドクター・クラレ氏も、こう言及する。

「ストロング系が流行っている理由は、国の施政にもあると思います。酒造メーカーに勤める友人に話を聞くと、日本には飲みやすくておいしいビールを作る技術はあるのに、酒税法改正でビールに余計な酒税をかけてメーカーを締め上げているようです。その結果、メーカーではコストカット至上主義が蔓延してしまい、ビールよりも安くつくれるストロング系に走っているのかもしれません」

 また、国に締め上げられるのはメーカーだけではない。社会学者の橋本健二氏は、著書『居酒屋の戦後史』(祥伝社新書)において“酒格差社会”の出現を訴えている。

 橋本氏は著書で「収入階級別にみた酒消費パターンの変化」を74年と09年で比較して、どの階級もビールと日本酒を飲めた70年代の「酒中流社会」と比べ、09年になると低所得階級は、ビールと日本酒はもちろんのこと、安い焼酎すら他の階級並みには飲めなくなっていると指摘している。

 こうした階級によって飲む酒が変わる“酒格差社会”の到来の真っ只中に、ストロング系が台頭したわけだが、その後、現在に至るまでについてを橋本氏は本誌の取材に対して「金をかけずに酔えることから、経済的に苦しい消費者のニーズに応えたストロング系が支持されている現状には、格差拡大・貧困層の増大という現実が反映されていると考えます」と、補足する。

 誕生したときからすでに高アルコールだったチューハイが、その後、ビール消費の減少に伴い注目されるようになるが、同時にそれは酒格差社会にも巻き込まれる形で、ストロング系と呼ばれるようになってから、良くも悪くも世間のニーズに応えたということだろう。

 ストロング系は他のアルコール度数の高い酒と比べると、格段と飲みやすいため確かに危険な側面もある。しかし、一方ではそのような酒しか選ぶことのできない社会的な背景もある。ストロング系の台頭は現代社会の歪さを浮き彫りにする象徴なのかもしれない。(月刊サイゾー2019年2月号特集『新しいニッポン のタブー』より)

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