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「モラハラのトリセツ」第8回

外出自粛でDVや虐待増加の恐れも……「DV加害者」にならないためにやるべきことは?

「不安を伴う感情」を棚卸しして、一つひとつ対処する

 コロナ禍で問題なのは、多くの人に「心の余裕」が足りなくなっていることです。だからこそ、意識的にそれを作っていくことが重要となってきます。

 現実的な問題の多くは、すぐに解決できるものではありません。ですが、その問題に直面した自分自身の不安を和らげ、余裕を作ることはできます。DV加害者にならないためには、まず「心の余裕」を作ることが第一歩です。

 そのためには、怒りのもととなる「不安を伴う感情」を棚卸しして、一つひとつ対処していくことが重要です。さて、今みなさんが感じる不安にはどのようなものがあるでしょうか?

 まず、「自分が新型コロナに感染してしまうのではないか」ということが第一に挙げられるでしょう。健康の不安です。

 ほかにも、自宅待機や自粛ムードで仕事が減ることによる経済的な不安、今後の生活がどうなるのか、先が見えない不安など、さまざまな不安があると思います。

 何に対してどんな不安があり、その裏にどんな感情があるか、できるだけ見て見ぬふりをせず、一つひとつ認識することが大切です。

 参考までに僕の場合の話をしますが、僕は今、健康不安を抱えています。今週初めごろから熱はないにしろせきは止まらないし、喉も痛い。感染しているのではないか? 家族や仕事仲間、友人にうつしてしまうのではないか? 誰かにうつしてしまったのが明るみになれば、周りから後ろ指をさされるのでは……という「怖さ」からの不安。自分が感染していたのであれば、家族はもちろん、仕事仲間や先週末に会った友人たちにうつしてしまったのではないかという「申し訳なさ」からの不安。 

 また、僕には2歳の子どもがおり、普段は保育園に通っているのですが、保育園も今は手いっぱいらしく、ここ1カ月は自宅保育を申し出て、家で仕事をしながら育児をしているため、体力的にも精神的にも消耗しています。うちは共働きなので、交代でワンオペせざるを得ないことも多いですが、ワンオペでまともに仕事ができるはずもありません。結果、仕事を減らさざるを得ず、収入は減少。こんな状況がいつまで続くのか……という「焦り」からの不安。

 パッと思いつくだけでもこれだけの不安があり、その背景には「怖さ」「悲しさ」「申し訳なさ」「焦り」といったさまざまな感情が渦巻いています。

 そして、その不安と感情が怒りに変わってしまった際は、まず一番近い人にぶつけられることになりかねないのです。

 僕自身、短期間に多くの不安を一気に抱えてしまい、それをつい妻や子どもにぶつけてしまいそうになった場面がありました。実際にぶつけてしまう直前に「あれ? 僕は一体なにが不安で、どんな感情が裏に隠れているんだ?」と立ち止まって考えることができ、今もなんとかしのげています。

 自分が抱える不安に気づき、その裏に潜む感情とどう向き合うか。これが重要になってきます。まず大事なのは、これらの不安と感情が自分の内に湧いていると認めることです。「不安なんて感じてないぞ!」と強がり、不安をため込むことはかえって危険です。ため込まれた感情はいつしか自分を押しつぶそうとし、それに対抗するための手段として不安は怒りに転化してしまいます。そして怒りは一番近い人にぶつけられてしまいます。これが、今のような状況でDVやモラハラ・虐待が増えてしまう「からくり」です。

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