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週刊誌スクープ大賞

安倍首相、「何としても五輪をやる」極秘プロジェクト始動も動機は”子どもじみた考え”

 ところで、8月7日に安倍首相が49日ぶりに広島で会見を開いた。わずか20分程度で、内容はこれ以上ないというほど空疎だった。頬はこけ生気がなく、持病の悪化を思わせた。

 だがここで、司会役の広島市職員が15分過ぎたところで「強制終了」させようとした時、看過できない“事件”が起きたのである。朝日新聞記者が、「総理、まだ質問があります」と上げた手を、官邸報道室の職員が妨害するため、記者の腕をつかんだのである。

 これまでも、内閣記者会から事前に出させた予定調和の質問にだけ答え、他の記者の質問を無視して会見を打ち切ることは何度もあった。だが、暴力的に記者からの質問を打ち切ることなどはなかった。民主主義を標榜している国のリーダーが、自ら民主主義を踏みにじったのである。

 毎日新聞(8月6日付)は「追加質問をしようとした同社(朝日新聞=筆者注)の記者が首相官邸報道室の職員から右腕をつかまれたとして、報道室に抗議した」と報じている。

 ここでおかしいと思うのは、「右腕をつかまれたとして」という表現である。会見には各社の記者もいて、その連中は現場を見ていたはずである。だったらなぜ、「何をやっているんだ」と声を上げなかったのか。「官邸側は否定」(毎日)できるわけはない。

 政治記者は権力の走狗だから、官邸に逆らえるわけはないと、したり顔でいう輩がいる。そんな記者を、社はなぜ高い給料を出して飼っておくのか。安倍官邸はけしからんが、それに唯々諾々と従って、国民の知る権利に答えようとしない記者という腑抜けたちのほうが、より始末が悪い。もっと怒れよ、真っ当に。

 岡田晴恵白鷗大学教授の評判が悪い。

 現代(8/8・15号)によれば、5月19日のモーニングショーで彼女はこう発言したという。

「コロナウイルスは高温多湿と紫外線が大嫌いですから、(暑くなって来れば=筆者注)下火になってくると思う」

 ひところ週刊誌が、こういう説を流していた。山形大学医学部付属病院検査部・感染制御部の森兼啓太部長が、コロナは屋外ではなく、飲食店や家庭内で感染が広がっているので、湿度が上がっても下火になることはない。紫外線でコロナが不活性化するという研究はあるが、そのレベルの紫外線を浴びれば、人間には大きな害となってしまうと批判している。

 岡田氏は以前、アビガンが効くようなので、医療従事者に持たせろと、安倍首相のようなことをいっていたが、結局有効性は確認できず、承認されなかった。

 新潮(8/13・20号)では、やはり羽鳥の番組で7月13日、「医療現場も、あと2週間したら大混乱になる可能性もありますよ」と発言したが、2週間後、「病床数の逼迫や医療関係者の負担は指摘されても、それを“大混乱”とまでは言えるのか」(厚労省担当記者)

 たしかに、感染者は増え続け、小池都知事は緊急事態宣言を今にも出したいと金切り声を上げているが、感染症の専門家というからには、占い師のようなことをいって、視聴者により一層の不安を植え付けるのは、いかがなものか。

 文春(8/13・20号)でも、1998年頃、宮沢孝幸東大大学院農学生命科学研究科助手(当時=現京大准教授)が、エイズのメカニズムを研究し、HIV-1の中にあるNefというたんぱく質がリンパ球を殺すという先行研究があったので、再現しようと試みたがうまくいかなかったと話している。

 だが、感染研にいた岡田氏が、ネズミによる再現実験を次々に成功させていると聞いたので問い合わせしたが、何の反応もなかったという。別のエイズ研究者は、今ではあの学説は学術的に認められておらず、「あの実験を成功できたのは世界中で岡田さんただ一人」だと話す。

 まるでSTAP細胞騒動を起こした小保方晴子氏を彷彿とさせるではないか。

 コロナ自粛で、週刊誌の企画も、本の企画が多くなってきた。ニューズウイーク日本版から少し毛色の変わったものを紹介しよう。

『三体』でベストセラー作家になった劉慈欣(リウ・ツーシン)は、『海底二万里』(ジュール・ベルヌ)『2001年宇宙の旅』(アーサー・C・クラーク)『シンギュラリティは近い』(レイ・カーツワイル)をあげている。

 このへんは私も、読んだり映画化されたものを見ている。

 国連事務次長の中満泉は、『アンネの日記』(アンネ・フランク)『失敗の本質――日本軍の組織的研究』(中央公論新社)『道しるべ』(ダグ・ハマーショルド)をあげる。

 中国のノーベル文学賞候補のイエン・連科は、『聖書の物語』(ゼノン・コシドフスキー)『縮図』(徳田秋声)『ペドロ・パラモ』(フアン・ルルフォ)。縮図などは日本人でも今はほとんど読まないだろうが、叙述の簡素で的確で飾り気のないところに引かれたといっている。一度読んでみるか。

 新潮に「樹木希林が遺した蔵書100冊」という特集がある。樹木は、本は100冊と決めていて、それを超えると、1冊を人に上げてしまったという。だから常に蔵書は100冊。

 私も、他人の家の応接間に通されると、まず最初に本棚を見る。それを見れば、その家の主が、どんな考えを持ち、どんなことに興味を持っているかが分かる。本は人なりである。

 では、樹木はどうか。亭主だった内田裕也の本が何冊かあるのは分かる。深沢七郎が『楢山節考』を含めて4冊。長嶋茂雄の『人生の知恵袋』か。石川あきの『昔のきものに教えられたこと』、鶴見和子の『きもの自在』。着物姿が多かったからな。

 意外なのが、津野海太郎が何冊かある。『したくないことはしない』『悲劇の批判』か。

 詩集もある。『金子光晴 草野心平』、長田弘『詩集 われら新鮮な旅人』、『追悼 草野心平「歴程』No,369』。

 興味深いのは、樋田慶子の『つまらぬ男と結婚するより一流の男の妾におなり』と、『愛のヨガ』かな。長谷川四郎作品集が1,2,3巻か。なんとなく樹木希林という人間が、少しわかったような気がする。

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