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『チコちゃんに叱られる!』クイズ王・伊沢拓司が来襲! 膨大な知識量にチコちゃん焦る

ついに出た「ボーっと生きてんじゃねーよ!」

 この日最後のテーマは「にらめっこってなんなの?」という疑問であった。言われてみれば、確かに何なのだろう? 最近は、にらめっこと言えば半沢直樹を思い出してしまうが……。回答者に指名されたのは伊沢だ。突拍子もない問題を、クイズ王が必死に考えている。

伊沢 「神様が悪霊を退散させるための儀式として、怖い顔をして“あっち行け!”ってやったんじゃないかな」
チコ 「ボーっと生きてんじゃねーよ!」

 今、伊沢に「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言えるのはチコちゃんしかいないのではないか? 「神様が~」と伊沢が話し始めた時点で、チコちゃんは内心でニヤ~っとしていたらしい。こんな風に適度に外してくれるから伊沢は面白い。このテーマの正解は「戦に勝つための訓練」であった。

 にらめっこが始まったのは、平安時代の終わりごろ。でも、その頃は「にらめっこ」ではなく「目競(めくらべ)」と呼ばれていた。そして、“元祖にらめっこマスター”と言っても過言ではない存在が、平清盛である。のちに『平家物語』の一部をわかりやすく絵にした書物を見ると、そこに目競と書いてあるのがわかる。これは、平清盛がガイコツをにらめつけて目力で退治したという話。そもそも、目競は武士同士の真剣勝負で、目をそらす=負けというルールである。それが「にらみつける」→「にらみっこ」→「にらめっこ」という言い方に変換していった。でも、なぜ武士は目競を行うようになったのか? その理由は、日本人の性格だ。元々、シャイな性格を持っている日本人。人と人が正面切って対面することを、特に我々は苦手としていた。だから、日本人には目をそらす習慣があった。でも、戦でそんなことは言っていられない。目をそらしたら、その段階で負けを意味しているのと同じ。にらめっこは、武士が相手を真正面から見据えて打ち勝つための訓練だったのだ。

 そこから、現代のように笑ったら負けというルールに変わるのは鎌倉時代である。国宝『鳥獣人物戯画』に目競をしているシーンが描かれており、そこで向き合う2人はにらみ合わず、とぼけた顔をしている。加えて、周りの人たちは大爆笑している。武士の訓練だった目競が、なぜこのように遊びとして行われるようになったのか? 鎌倉時代になると、源平の合戦の時代から平和な時代へ移っていった。そうすると人間の気持ちも和らぎ、遊びをするゆとりができたのだ。

 そして、江戸時代になると「だるまさん だるまさん にらめっこしましょ 笑うと負けよ あっぷっぷ にらめっこ」の歌の元になったわらべうたが誕生する。この歌の影響もあり、にらめっこは子どもの遊びという印象が強くなっていった。ちなみに、にらめっこの相手はどうしてだるまなのだろう? 元々、だるまとは達磨大師という偉いお坊さんのことを指していた。長い間修行を積み、一言も口を利かない人だったらしい。もちろん、笑うこともしない。「絶対に笑わないぞ」という顔つきをした達磨大師を笑わせることができれば、それはもう戦に勝ったのと同じ。だから、笑わせたら勝ちなのだ。

 さて、本日放送『チコちゃん』は見ものである。ゲストはみちょぱこと池田美優と、なんと豊川悦司! これは豪華。クールなイメージのトヨエツを、チコちゃんと岡村は果たして笑わせることができるのか?

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/09/11 17:30
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