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産業医と映画Pの配信作品批評「ネフリんはほりん」#2(前編)

『ドラゴンボール』は『ベスト・キッド』をパクった?あれから30年後を描いた『コブラ会』が大ヒット!

文=伊丹タン(いたみ・たん)

現代アメリカで受け入れられる“格差エンタメ”

『ドラゴンボール』は『ベスト・キッド』をパクった?あれから30年後を描いた『コブラ会』が空前のヒット!の画像3

――さて、そろそろ本題の『コブラ会』に移りましょう。本作は『ベスト・キッド』でライバルだったジョニー・ロレンスが所属していた道場、コブラ会をメインにしたストーリーです。

大室 これは視点が面白い! かつてクラスの中心だったイケメン白人のジョニーが、うだつの上がらない修理工のおっさんになっていて……。一方で、ジョニーがいじめていたダニエルはカーディーラーとして大金持ちに。ジョニーからすれば屈辱だよね。こういうスクールカースト上位者が大人になり全能感が維持できなくなった時に発生するプライドの“棚卸問題”は難しい。僕も同窓会に行って、似たような境遇の同級生を見るたびにそう思うよ……。

伊丹 負けた人間にもその後の人生があって、でもプライドは高くて短気で柄の悪い性格のままだから、仕事もうまくいかずにクビになるというのが物語の入り口。妻はいるけど関係は破綻していて、子供もグレている……と典型的なコミュニケーションが下手なキャラ造形。

大室 周囲とコミュニケーションがうまく取れずに犯罪を重ね、暴動に発展していくストーリーの映画『JOKER』(19年)が大ヒットしているし、こういう構造の作品が今アメリカでは受け入れられてる。前回のテーマだったスパイク・リー監督はブルックリンの黒人に代表される、マイノリティの人種が受けている差別に対する沸々としたマグマのような感情を描いたけど、今は社会に適応できない白人中年のもどかしさが共感を呼んでる。実際現代のアメリカにはジョニーみたいな人を自分に投影しちゃう人が多いんだろうね。

――アカデミー賞作品賞ほか4部門を獲得した『パラサイト 半地下の家族』(19年)もそうで、こういう主題の作品は昨今“格差エンタメ”と呼ばれているみたいですね。

伊丹 言い得て妙だね。『コブラ会』は直接政治に対して言及はしてないけど、80年代から30年以上たった今に時代をチューニングして、中産階級の白人の没落を表現してる。

大室 そうそう。『ベスト・キッド』では、ダニエルはイタリア系アメリカ人でややマイノリティ。それに対して、ダニエルをいじめる金持ちで人気者のジョニーと憧れのブロンド美少女アリが白人なのはわかりやすい当時のアメリカの構図。だけど30年たってダニエルが成功者になっているのはもとより、ハイスクールでは白人の男のコたちがオタクでキモがられてたり、アジア人がいじめっ子だったり、カーストの変化も見られる。

伊丹 そのあたりのリアルな人種的構図の変化をさらっと描いているのも、視聴層に響いているのかもね。

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