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なぜお笑い芸人はお笑いを語るようになったのか?「お笑いを存分に語る」ブーム到来の理由

“テレビでは暴言を吐いても実はいい人”芸人が増えた理由

 芸人が不真面目であっていいのは、“常識に対してだけ”である。芸事に対して根っから不真面目な芸人は、今の世の中では認められず忘れ去られていく。例えば番組で空気を読まずに大暴れする芸人でも、先輩をリスペクトし、後輩の面倒をよく見るといった、俗にいう”実は良い人”だったとしよう。

 そのような本来の性格が世間に知られ、それが表に出ている芸風と全く異なったキャラクターであったとしても、人々は違和感を持たない。むしろ素の部分もひっくるめて愛されるのだ。

 芸人論を語る番組が増えているのは、この傾向を上手く利用した成功例だと思う。

 どれだけお笑いが好きか。どれだけテレビ番組を研究しているか。同業者はライバルであっても認め合い、芸風が好きだと素直に認め、尊敬していると堂々と伝えることが視聴者の需要に合致し、結果的に自身の好感度アップにもつながるのだ。

 変わったのは芸人自信ではなく、取り巻く環境である。

 芸人に限ったことでは無いが、最近”語る”という事が密かなブームになっていると感じる。

 2020年にアメリカで誕生した「Clubhouse(クラブハウス)」という音声配信SNSが、今年1月に日本でもローンチした。初速の勢いは凄まじく、わずか数日で10万ダウンロードを達成し、関連するワードが連日ツイッターでトレンド入りする盛り上がりを見せていた。

 このClubhouseの面白いところは、発信者は芸能人だけではないということ。有名企業の社長や大手ホテルの経営者、海外に移住している人、医療関係者、中には特に何かに長けているわけでは無いが「あなたのお悩み解決します!」といったチャンネル(ClubhouseではRoomと呼ぶ)まである。

 何故いま「音声のみ」のSNSがヒットしているのか? それは昨年より続くコロナ禍でのステイホームが大きく影響していると考える。

 簡単に言ってしまえば、実はみんな喋りたいのだ。

 綺麗な写真を撮って投稿したり、思ったことをつぶやいたり、役立つ情報をブログに綴ったり、そういった昔からあるSNSや発信手段に、最も手軽で簡単な“話す”という SNS が参入し、コロナ禍で口数の減った 我々の心の隙間に上手く入り込んだのだと僕は思う。

 実名であろうがなかろうが、有名になりたかろうがそうでなかろうが、自分の意見や思ったことを発信することは良いと思う。もちろん相手を傷つけるような発言は除くが。

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