日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 徳川斉昭と違い外国人に寛容だった家康

『青天を衝け』の竹中直人好演で注目を集める徳川斉昭と違い、外国人に寛容だった家康の功績

明治維新の不平等条約改正に一役買った救出劇

 1888年(明治21年)、日本とメキシコは修好通商条約を締結する。日本が欧米諸国と不平等条約を結ばされている中で、初めての平等条約だった。メキシコ側は日本が1609年にロドリゴ一行を助け、無事メキシコに帰還させた恩義を忘れずに西洋国家として初めて、日本と平等の立場で条約を結んでくれたのだ。

 1978年に来日したメキシコのホス・ロペス・ポルティーリョ大統領は多忙なスケジュールの合間を縫い、救出劇の舞台となった御宿町を訪れた。町民たちに「エルマーノス・デ・オンジュク(御宿の兄弟たちよ)」と語りかけたという。町民たちも大統領を熱烈に歓迎し、法被(はっぴ)を着せ神輿に担ぎ練り歩いたという。

 大河ドラマ『青天を衝け』では、開国の決定をした老中首座・阿部正弘(大谷亮平)を竹中直人演じる徳川斉昭が、「東照神君の血を引くこの斉昭が(天子様に)言上する」と詰め寄るシーンが登場する。だがここまで見てきたとおり、東照神君こと家康は200年以上後の子孫の斉昭よりはもう少し頭も柔軟だったようで、海外から来た外国人たちとも必要に応じて会っていた。家康のロドリゴ一行に対する寛大な措置が、最初の西洋国家との平等条約に繋がるのだから、歴史は面白い。

本田路晴(ジャーナリスト)

連邦海外腐敗行為防止法 (FCPA) に関する調査、ホワイトカラー犯罪の訴訟における証拠収集やアセットトレーシングなどの調査・分析を手掛ける米調査会社の日本代表を経て現在は独立系コンサルタント。新聞社特派員として1997年8月から2002年7月までカンボジア・プノンペンとインドネシア・ジャカルタに駐在。その後もラオス、シンガポール、ベトナムで暮らす。東南アジア滞在歴は足掛け10年。

ほんだみちはる

最終更新:2021/04/05 10:36
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