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元ホームチーム檜山が解説

「おぼんこぼんTHE FINAL」が泣けて笑えて…そして圧倒的にかっこよかったワケ―漫才師が見せる顔のスイッチ

「おぼんこぼんTHE FINAL」が泣けて笑えて…そして圧倒的にかっこよかったワケ―漫才師が見せる顔のスイッチの画像1
TBS『水曜日のダウンタウン』公式ツイッターより

※本記事にはネタバレが含まれます

 ここ最近のお笑い界を騒がせたニュースと言えば『水曜日のダウンタウン』(TBS)で放送された「おぼんこぼんTHE FINAL」。

 さまざまな記者や芸人が考察したり、ツイッターでトレンド1位を獲得し、早くも今年のギャラクシー賞の声も多い。お笑い界を飛び越える勢いで話題となったベテラン芸人の行く末を、元漫才師である僕が僕なりに分析してお話ししたいと思う。

 まず、内容を軽く説明しよう。遡ること2019年2月、「『水ダウ』で説のひとつとして「芸人解散ドッキリ師匠クラスの方が切ない説」という企画でおぼんこぼん師匠の不仲が明るみとなり、そこからは「おぼんこぼん仲直りプロジェクト」として催眠術を使って仲直りさせようとしたが、ふたりの間の溝はさらに深まった。

 先日の放送では“THE FINAL”と銘打ち、こぼん師匠の娘、いづみさんの結婚式を舞台に、2週にわたり最後の仲直りを試みた。両人の娘さんや、40年の付き合いとなるマネージャーさん、そしてプレゼンターのナイツらの説得もあり、最終的に仲直りを果たし、長期に渡るおぼんこぼんシリーズは終了となった。

 演技では出来ない喧嘩のリアリティさ、師匠の言葉の重みに胸が締め付けられ、家族や周囲の人の気持ちはわかりつつも素直になれず、なかなか仲直りが出来ない2人の姿に涙し、そして最後には突然!? というくらいあっさり仲直りをした2人に笑みがこぼれた。

 なぜこの企画がお笑い界にとどまらず、各方面で話題になったのか――。

 それは、映画のように見事なストーリー展開、どこか切なさを感じさせるキャスティング、そして漫才を通して見える絆など。さらに今まで明かされていなかった仲が悪くなった原因も話題を呼ぶ一つだったのは間違いない。しかも大団円で終わるというのが素晴らしい。今の荒んだ世の中で久しぶりに見た、ベタな感動巨編。そりゃ騒がずにはいられないだろう。

 ここまで話題になったのは、間違いなくおぼんこぼんが「漫才師」だったからだと僕は思う。

 漫才というのはとても分かりやすく感動的でかっこよく映る。例を挙げるならば「M-1グランプリ」の舞台袖。スタンバイしている漫才師の真剣な顔にドキッとしたことはないだろうか。

 出囃子と共に笑顔で勢いよく舞台へ飛び出していく。そしてアイコンでもある“サンパチマイク”を挟んで文字通りマイクひとつで笑いをとる。会場を笑いの渦にしてオチ台詞を言い、袖にいる次の出番の芸人とすれ違いながら楽屋に帰っていく。そしてネクタイを緩めプライベートの服装に戻り漫才師から普通の人に戻るのだ。

 付け足すならば、スーツを衣装にしている漫才師のほうがなんだかカッコいい。コントの場合、すでに何かしらの衣装を着ていたり、何かしらの役になりきっているので、漫才師よりスイッチを入れる瞬間がわかりづらいのだ。漫才師に限ったことではないが、オンオフのスイッチを切り替える瞬間はカッコいい、漫才師はそれがあからさまに映るのだ。

 これは一般的にわかる感覚だろうか? ふと心配になってきたがもう少し話していくことにする。

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